評価:★★★★☆ 4.2
なにもかも平均的な中学生、鈴木少年。大して目立つ特徴もないし、特技もない。卒業を間近に控えた中学生活も、このままでは「平均的」に終わってしまう。そこで、鈴木少年は決意した。
そうだ、学校のアイドルに告白しよう、と。しかし、どうやって?
そんなときに出会ったのが、『がっかりイケメン』こと藤本くん。噂通りのイケメンだが、噂通りの『変人』だ。それでも、鈴木少年は「平均的な日常」から脱するために、『がっかりイケメン』の力を借りることに……。青春ドタバタコメディです。
*『Smile Japan』参加作品です。http://smilejapan.dousetsu.com/
時代:未登録
舞台:未登録
その他要素
注意:全年齢対象
「なろう」には、その才能に嫉妬するあまり、時に読むのがツラくなるほどの作者様が確かに存在する。本作「鈴木くんの平均的な非日常」の作者、立川マナ氏は間違いなくそうした作家の一人である。主人公、鈴木少年は、よくある「俺は平凡な中学生」などではない。本当に平凡なのだ。何しろ主人公であるにも関わらず、下の名前が最初から最後まで出てこないという、正真正銘、最強のモブキャラなのである。唯一他人よりも持ち合わせているのは運のなさ。様々なトラブルに巻き込まれていく鈴木少年の非日常的な日常が、爆笑必至の文章によって軽妙に語られていく。ひたすら笑えるのに、何かがしっかり心に残る。このお手並みはもう、コメディの教本と呼んでもいいだろう。「中学編」、そしてその続編「高校編」と、ぜひ続けて読んでみてほしい。ただし吹き出す危険性が高いので、なるべく一人の時に(笑