評価:★★★★☆ 4.4
諌山 想(いさやま そう)、高校1年生。
人生なんて虚しい。だけど終わりにするほどの情熱もなくて、ただ仕方なく生きてる。そんな少年の前に突然現れた四谷 司(よつや つかさ)。彼は選ばれた者の願いをすべて叶える存在「超幸運」なのだという。
「なんでもあり」な力を手に入れた少年の人生は一体どう変わるのか――。
SUPER LUCKY # 4/BLACK case:A-27 「諌山 想の場合」
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
ランキングの中ではそこまで上位に入っていませんが、個人的にはこの作品の面白さはなろうの中でもトップクラスです。レベル的には普通にライトノベルとして出版されてもおかしくないんじゃないかと思ってます。なろう定番の異世界には行きませんが、こういう日常の中に潜む非日常作品をもっと探してみようとなりましたし、作者の他作品も読んでみたいと思います。
願いをかなえる。 それは多くの物語で扱われてきたモチーフ。星新一ならば、悪魔がやって来て蠱惑的に囁いたりするけれど、欲望まみれの人間はたいてい破滅する。 それでは本作は? 虚しく人生を過ごす高校生の諌山想。様々な問題を抱える彼は、偶然にも「超幸運」に選ばれる。制約やルールはあるけれど、幸せのためならば、「超幸運」はどんな願いでも、何回でも、かなえてくれると云う。 転生? チート? ハーレム? それこそ利己的な欲望だ。悪魔が囁くまでもなく、物語は破滅してしまう。安直な願いをかなえて、爽快感とカタルシスを得る物語ならば他にも無数に存在するのだから。 本作は優しい物語。主人公の想だけでなく、登場人物の心情は丁寧に描かれる。「超幸運」をきっかけに変化していく人間関係。それを主軸に、想の着実な成長が描かれる様は見事。モチーフとテーマが合致したすばらしい作品である。
レビューではあるのですが、この作品の内容には触れません。実際に読んで欲しいからです。私は、小説を読むとき、ページをめくる暇も惜しいほど没頭できるかどうか、思わず表情を崩してしまうような表現が散りばめられているか、そして何より、多少は寝不足になったとしても最後まで今日のうちに読んでしまいたいと思えるかどうかで、小説の面白さは計れるのではないかなと思うのですが、この作品、というかこの作者さんの作品ではこのすべての条件が当てはまります。それ位私にとっては面白かったです。すっかりファンになりましたし、たくさんの方に薦めたいと思い、レビューしました。ここまで書いてあまりの長文に自分で引きましたが、要は面白いということです。