むかしむかし、あるところに少年がいました。
少年には親友と恋人がいました。
少年は少しの勇気と愛情をもった、朗らかな少年でした。それはお祭りの日のことでした。
少年は女神様にあったのです。
女神様は言います。
「あなたに魔王になってほしいのです」
少年は困りました。魔王といえば、世の中を悪くさせる危険な人だったからです。
でも女神様は言います。
「魔王になってもらわないと、世界が滅んでしまうのです」
女神様が言うには、魔王がいたから人は戦うことを覚え、ものを作ることをし始めたのです。
そのために魔王はいないといけませんでした。
「僕が犠牲になるだけなら、僕は喜んで世界の糧になろう」
少年は、そのとき魔王様になりました。でも、犠牲は少年だけではなかったのです。
事情をしった恋人と親友は、放っておけない、と自分たちも手伝うことにしました。
そして恋人と魔王様の間には子供たちが生まれ、誕生した魔王様の軍勢は人を倒していきました。でも、どんなものにでも終わりは来ます。
親友が死んでしまい、恋人が死んでしまい、子供たちが死んでしまい、とうとう軍勢は魔王様一人だけになってしまいました。そして、勇者がやってきました。勇者は絶滅しかけている人類を救うために生まれた救世主です。また、それに倒されるのは魔王様の運命でした。
勇者に倒される最中、魔王様は考えます。
「どうして僕は一人なのだろう。ただ僕はみんなのために犠牲になっただけなのに」泣かなくてもいいのです魔王様。嘆かなくてもいいのです魔王様。
私たちはあなたの隣にいます。あの人はあなたのことを思っています。あなたには家族がいます。「うれしいなぁ。みんなと一緒にいられるなんて」
魔王様はにっこりとほほ笑みました。
俺が世界を救うには
完結日:2013年1月14日
作者:小山 優
評価:☆☆☆☆☆ 0
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象