2007年4月、都立立山高校に入学した女子高生・深町瑞穂は、入学初日に校門の前で謎の男から「ミステリー研究会にかかわるな」という不可解な忠告を受けた。しかし逆にこの一件で興味を持った瑞穂は、この忠告を無視して高校生探偵と名高い野川有宏率いるミス研に入部してしまう。その数日後、ミス研主催で行われた探偵訪問という企画で、瑞穂は校門で会った男と再会。男は榊原恵一といい、現時点で日本における最高の探偵と呼ばれている人物であった。そんな榊原との推理対決を望む野川は、豊島区で発生していた生命保険会社強盗殺人事件をネタに推理勝負を提案し、後日互いの推理をぶつけ合うことで合意する。だが忘れ物を取りに事務所に戻った瑞穂は出かけようとする榊原と遭遇し、野川との推理対決を避けるためという理由で問題の強盗殺人事件の捜査に介入しようとする榊原に興味を持って同行を申し出る。これに対し、榊原は瑞穂の見ている前でこの事件の真相をわずか一晩のうちに解明し、激しい論戦の末に犯人を陥落に追い込んでしまった。瑞穂は改めて本物の「犯罪」の恐ろしさと、それに一歩も引かずに立ち向かう榊原という「名探偵」の実力をを目の当たりにすることとなる(第一部「豊島区生命保険会社強盗殺人事件」)。二ヵ月後、ある事情で榊原と再会した瑞穂は、彼から驚くべき話を聞かされる。実は彼女の所属するミス研では過去に二人もの人間が不審死を遂げており、四月に榊原にその不審死の調査を依頼した元刑事も、先日何者かに殺害されたというのだ。自身が入学式当時からミス研を調べていたことを明かした上で、瑞穂にミス研の内偵を依頼する榊原。同じクラブのメンバーを疑うことに葛藤する瑞穂だったが、その翌日、文化祭の準備で賑わう立山高校の部室棟で、四人のミス研部員が同時刻に別々の場所でほぼ同時に殺害されるという前代未聞の不可能犯罪が発生する。依頼を果たすため捜査に介入する榊原。そして、部員の敵を取ろうと榊原に再び推理勝負を持ちかけるミス研部長・野川有宏。高校生探偵とベテラン探偵、対極に位置する二人の推理対決が幕を開ける。果たして、この不可能犯罪の真相とは、そしてミス研が抱える「秘密」とは何なのか(第二部「都立立山高校同時多発殺人事件」)。今、極限の推理勝負が始まる!
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