評価:★★★★☆ 4.3
たくさんの星が輝く夜空で、一際輝くあの『二つの星』に向かって手を伸ばす悠姫の横顔はとても悲しそうで、とても儚かった。
どんなに手を伸ばしても届かないのに、彼女はそれでも手を伸ばす。
なにかとても大事な願いを叶えようとしているかのように。諦めきれない思いを届かせるように。
「さっちゃんは届いている? その伸ばした手があの星に?」
その問いに、俺――松原聡は届いているとも、届いていないとも言えなかった。
ただ、その代わりに、
「……さあな」
としか言えなかった。
そんな自分がとても悔しく思う。
とても、とても悔しく思った。
ああ、俺は届かせることができるだろうか。
あの彦星と織姫の星に、この思いを。
彦星と織姫よりも近くて遠い、二人の恋の物語です。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象