評価:★★★★☆ 4
人は未練を残したままでは、死んでも天上界へと送られることはない。
そんな人間たちの魂を無事に天上界へ届けること。
――それが私たちの仕事だ。
もっとも、私はといえば、まだまだ未熟な実習生だけれど。
変人だが、一級の肩書きを持つ『エージェント』である先輩の下で、今日も、人間の未練を解決するべく、新しいことが連続の毎日を送っていく。
――あなたの未練はなんですか?人の魂を送るプロ、『エージェント』になるべく、実習生として配属された劣等生の女生徒二階堂遊馬(ゆま)と、担当教官の新藤が織り成す、少し切なく、ちょっとだけ心温まる物語。
*2016.10.21
ファン文庫様より、絶賛発売中です。
タイトルは『あなたの未練、お聴きします。』
よろしくお願いいたします!
話数:全41話
ジャンル:ヒューマンドラマ
時代:未登録
舞台:未登録
注意:全年齢対象
人は死して尚、自らの生を希求する――。落ちこぼれ実習生の遊馬は、型破りな実績をもつ先輩のもとで、エージェントとしての経験を積んでいきます。その役目は、死者の未練を晴らし、天上へ送ること。専門的な知識に裏づけられた『ケース』は、現代にひそむ、さまざまな心の傷を映しだします。死者が抱える『未練』は、消えかけてゆらぐ灯火のように思えました。そっと囲って、消えるときを待つのか。いっそ、ひと思いに吹き消すのか。あるいは、照らしだされた影の心を読み解こうともがくのか――。託された想いに、エージェントたちは、それぞれの形で向きあいつづけています。「なにをもってして人は生きるのか」哲学的な問いに、100%の正答など存在しません。物語の果て、貴方の見いだす『答え』は……?ゆるやかに沁み入るような空気感に、囚われて。ほのかな温もりと、さわやかな読後感を与えてくれる良作です。
落ちこぼれの主人公が、死者の『未練』を断ち切るお話。一つ一つのお話をほっこりしながら読むことができます。のんびり読みたい人にお勧めの作品です。そして、この作品では主人公の成長が楽しい。落ちこぼれだと言われた主人公が『未練』を断ち切るお仕事をするにつれ、仕事との向き合い方、接し方などいろいろな面で主人公の成長が見れます。主人公の二階堂と仕事場の先輩、新藤の会話劇もリズムよくて面白い。二階堂も新藤もキャラがたっているし、その話ごとに登場する人たちもそれぞれの思惑があり、その都度キャラに共感できる。心のなごむ小説です。時々クスリと笑いながら、ほっこり読むのも、結構楽しいものですよ。
淡々とした、不思議な読み味の作品です。激しい刺激を好む人には、あまり合わないかもしれません。しかし、合わないと思いつつも「たまにはこういうのもどう?」と勧めたくなる作品です。死んだ人間の心の問題。生きている人間の心の問題。双方に向き合い、死者を成仏させるエージェントたち。これは、繋がりようのない物を繋ぐ事で生まれる優しい絆の物語です。私は、そう感じました。
“ この物語は、””未練””を残して死んでしまった人たちを手助けする、まるで””死神””のようなエージェントのお話です。 落ちこぼれの見習いエージェントである遊馬は、一級エージェントの””先輩””のもとで、未練を残して死んでしまった人たちと向き合います。 その際に、先輩やクライアントとぶつかったり、感情移入して泣くこともある。それでも遊馬は、懸命に未練を晴らすために尽力します。 悩んで怒って泣いて、でも最後にはきっと笑顔になれる。そんな物語を、あなたは読んでみませんか?”