醜い私。 完結日:2014年2月11日 作者:結木しぐさ 評価:★★★★☆ 4.1 誕生日に奴隷を買って貰った。顔は腫れて体中痣だらけ。字を読むどころか、ろくに話すことも出来ない。醜い醜い男の子。その子に優しくするたび、私の醜い心は優越感に満たされるの。 話数:全20話 ジャンル:ヒューマンドラマ 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 奴隷 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:ダーク 展開:未登録 その他要素 主従 愛憎 注意:R15 残酷な描写あり なろうで小説を読む
13人の兄妹の仲で、容姿も才覚も劣る、自他共に認める醜い私。 劣等感を隠すために誕生日に、奴隷を求めた。 自分よりもずっと醜い男の子を手に入れる。 彼を守ることで、その庇護欲を満たすことで、劣等感を埋めるという悪魔的発想。 彼が自分の庇護がいらないくらいに成長する時、破滅が訪れることにも気付いていない。 この物語の登場人物はすべて、自分の幸せのために生きている。断言する、すべてだ。 だから、不幸な結末が訪れる。 主人公は、決して救われない。 その正邪について、僕には語れない。 だから、愛憎によってすべてが崩れ去る瞬間の負のカタルシスを目撃して、各々で線を引いて欲しい。 醜いアヒルの子は、白鳥になった。 それは元々、白鳥だったからだ。 醜い私は、愛がなければ何者にもならない。 ならば、それはあったのだ。 完成度の高い悲恋話です。ぜひご一読を。
貴族の娘として生まれた醜い娘、ミーシャ。家族からも嗤われる日々のなか、ミーシャは誕生日に一人の奴隷を買ってもらう。彼の名はスワン。ミーシャより醜く見えた彼はミーシャの心を醜く癒した。だが。まっすぐな内面が、見た目が。ミーシャとの間に亀裂を走らせる。スワンとの間を次第に広げていくミーシャ。しかしそれでもミーシャに近づこうとするスワン。二人の関係は、どこへと向かうのだろうか。人間の醜さ、自分の心の黒い部分を、見てみませんか?――さぁ、醜いのは、心でしょうか。見た目でしょうか。
現代社会では見た目が九割と言われますしかしながら、何時の時代、どの場所でも、醜い人間への―――特に女性への扱いは酷いものです主人公ミーシャは貴族として生まれながらも、その醜さ故に、血の繋がらない兄弟から厭われ、卑しい奴隷商人からさえも冷笑される始末ですそんななか、誕生日に買って貰った、自分よりも醜く愚かな少年彼の醜さは彼女の心を慰めますが、顔と心の傷が癒え、彼女より見栄えする見た目、何処までも純粋な内面それは、他の兄弟より充分な寵愛を受けることになります故に、彼女は嫉妬します。兄弟の彼への待遇に、庇護に、慈悲にそれでも、奴隷―――スワンは醜い彼女―――ミーシャを一途に想い続ける吐き気をも催す純情さで騎士道恋愛もの?醜い女が救われる話?いいえ、これは彼女の復讐の物語。兄弟へ、少年へ、運命への反逆の物語。
誰しも見下す奴が欲しいですよね?主人公ミーシャの家族との不協和音っぷりと心に泥のように渦巻くドス黒い思考が素晴らしい。そして、主人公に買われた醜い奴隷スワンの無垢な心と無償の愛。その関係は見ていて微笑ましいものですよ。本当ですよ?だが、二人の関係は明確な上下関係によって成り立つもの。引き裂かれた二人の再開から始まる綺麗な物語に泥を塗りたくるであろう主人公に期待大!!