歪みの苑 完結日:2014年2月1日 作者:翠月 評価:★★★★☆ 3.6現在と過去。過去と現在を繋ぐのは、記憶と心。 ある日〝歪み〟に触れてしまった少女。 「異世界」にたどり着き、保護という名目のもと王城に連れて行かれるのだが――。 その先にあるものは、はたして過去か未来か――? ※異世界トリップものです。 12月5日、本編完結。後日談、番外編掲載中。 話数:全82話 ジャンル:その他 ファンタジー 恋愛 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:中世 舞台:異世界 雰囲気:シリアス 展開:未登録 その他要素 国王 歪み 王城 現在 異世界トリップ 過去 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
『歪み』に吸い込まれ、別の世界に放り出された高校三年生の仁和。彼女はそこで、孤独な目をした青年ウィルに保護される。戦争の傷跡の残るカルティア国の、彼は国王だった。優しさと強引さを併せ持つウィルに仁和は徐々に惹かれてゆくが、彼はある『歪み』を抱えていた。王道な異世界トリップものかと思いきや、封印された過去が明らかになるにつれ、これは仁和の自分探しの冒険なのだと気づく。揺れ動く気持ちの描写が繊細で、彼女と一緒にカルティア国を彷徨っているような気分になった。また、後半になって覚醒した彼女の凛々しさは清々しい。守られるだけではない、強いヒロイン像が爽やかだった。誰しもが胸の内に秘める『歪み』――それと対峙し、許し合うことができるか。テーマや展開は決して軽くはないが、柔らかくテンポのある文章のおかげですんなりと読み込める。やや謎を残した形での完結となったので、続編が待ち遠しい