評価:★★★★☆ 4.2
試合中の怪我によりサッカー選手としての道を絶たれた男がいた。
後に彼が黒猫を助けようとして事故にあった時にその運命が一変する。
目を覚ますと己が初めてサッカーに触れた小学三年生に戻っていることを確認したのだ。
「もう一度サッカーができるってことか……」歴史やタイムパラドクスなど一切気にしないサッカー馬鹿が、今度こそはと真剣にサッカーに打ち込む物語
話数:全227話
ジャンル:その他
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:現代
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
他に観戦したいスポーツはあっても、サッカーに興味はありませんでした。そんな私に「サッカーも面白いんだ」と思わせてくれた作者様に感謝します。魅力的なキャラクター達、一人称でも躍動感がある文章、凄く面白かったです。ただサッカーが好きな主人公と、感化されながら振り回し振り回される仲間たち。理想的な人生のやり直し、理想的な現代のチート主人公です。
もし今の記憶そのままに、過去に戻れたら、私たちは何をするだろう?『勉強に励んで他の子に先駆ける』あるいは『将来におこる出来事を利用し、上手く立ち回る』などの頭脳チートを目指すのではないだろうか?同じやり直すなら、周りに差をつけるべく、記憶や賢さを生かした前とは別の選択肢をするだろう ただ、この物語の主人公はそうではない。 彼はやり直せた瞬間、未発達で貧弱な手足を振り回しながら『またサッカーができる』と歓声をあげる。 サッカープレイヤーの選手生命は他のスポーツより圧倒的に短い。それだけハードで危険を伴うスポーツだ。それでも彼は走り続ける。どれほど辛い練習も、痛恨の失敗を、残酷な才能の違いを、あるいは絶望的な怪我をしても、再び進んで行くに違いないのだ。同じ道を、同じ未来を。 全てのサッカー小僧に送るエールみたいな話です。
この作品を最初に読んだ時の素直な気持ち、それは羨ましさです。かつて野球、サッカー、バスケット、テニス等様々な球技に夢中になった人は多いと思います。そんな人達は、今のそのスポーツに対する知識を、あの時あの瞬間に身につけていたらという後悔を持つ人も少なくないのではないでしょうか。そんなスポーツ少年・少女であった大人たちの夢をアシカ君は体現します。そして彼は純粋に好きなサッカーでの自分の可能性を求めて、ただひたすら走り続けます。その姿を目にしてしまったものは、もう彼の背中を追い続けるしかなくなります。そんな少し眩しくて、熱いサッカー小僧の物語を皆さんも是非、御一読下さい!
若年を主客にした場合、一人称では文章的な制約を受けてしまう。なにしろ主人公の思考等が若年なので、少しでも凝った地の文を書くと強い違和感が生じてしまうからだ。ゆえに一人称小説の主客は多少なりとも文芸的表現等が似合う年齢または性格にする必要が出てくる。その点を、この作品は「逆行」という手法で上手く解決している。さらに「俯瞰視」という能力を付けることで、サッカー小説としての描写も成立させている。なろうにはチート主人公が山ほどいるが、作品の主題を成立させ、かつ魅せる仕掛けとしてのチート要素を活用しているものは非常に稀有だ。これからチート主人公ものを書いてみたいと思っている書き手にこそ、是非読んで欲しい作品だと思う。
分かっていても主人公に嫉妬してしまう挫折した俺がサッカーを楽しそうにプレイしてる奴らを羨ましそうに眺めている嫌な記憶が蘇るだけど少し前、誘われるがままボールかってスパイク買ってボールを蹴ったら顔がだらしなく歪んで、にやけている自分に気が付いた、顔を抑えて元に戻そうとする程、どんどん喜びが舞い戻ってくるやっぱサッカー小僧ってのは、どんだけ時間が経ってもサッカー小僧で俺はサッカーが好きなんだな、今になってやっと分かりました何か自分の事ばっかでレビューになってなくて申し訳ないんですけどつい最近感じた事をこの主人公も感じていて、何時の間にか感情移入しながら俺も戻りてぇ!お前だけずりぃよ!っていい意味で嫉妬した作品です支離滅裂で申し訳ございません更新頑張ってください!応援してます!
逆行ものといえば、二次創作の世界で一時期もの凄い勢いで量産されたジャンルです。あり得なかったIFの世界。仲間の死や、大災害、そういった悲劇を回避するために主人公が奮闘するというのがスタンダード。この物語の主人公もまた、自分という人生をIFの方向へ進めていきます。昔、サッカーの試合中にケガを負い、プロへの道を諦めてしまった主人公。悔しさを胸に悶々とした毎日を過ごすなか、あることをきっかけに、小学校の頃の自分へ逆行していました。知識と経験、そしてテクニックという部分ではアドバンデージを持っていますが、フィジカル面で難あり。それにサッカーはチームプレイ。主人公一人の活躍では強敵にかなわず、個性的な仲間達との関係性も注目!?サッカーの知識はポジションとか基本的なルールがわかっていれば楽しめると思います。
―――1度は諦めた。しょうがない。どうしようもない。そう言い聞かせて生きてきた。足に、体に、心に。何度も、何度も。だがそれでも、足は、体は、心は、諦めなかった。何度言っても、言い聞かせても、諦めなかった。それどころか、叫び返してきた。サッカーがしたい、サッカーをさせろ。もう1度、せめて、あともう1度だけでも。そう、叫んでいた。それは神の奇跡か、いたずらか。もう1度、本当にチャンスを与えられた青年。少年の姿になり、大きな翼を得、もう1ピッチに舞い降りる。少年の目指す先はただ1つのみ。すなわち、―――世界へ。スポコン系熱血小説、開幕。