評価:★★★★☆ 3.6
その日を境に、少年の見る夢はもう一つの現実になった。
あり得ないことばかりが起こる夢の世界は等しく残酷で、常に無情だ。
夜眠る度、現実を模したモノクロ色の別世界へと足を踏み入れることになった少年は、黒い化け物に襲われた。あわや挽き肉にされかけたところで一人の少女に救われ、彼女と行動を共にするようになった少年は、この白黒の世界を巡ることになる。目的は、元の穏やかな夢を見ること。二度とこんな世界に足を踏み入れないようにすること。そして、自らと同じように、この世界に誘われた人々に救いの手を差し伸べること。それらを当面の目標にした二人は、常に化け物に狙われながらも毎日を過ごすことになった。絶対に生きることを諦めない少女と、生に執着しない少年の、眠る度に訪れる現実に似た異世界の日々。
話数:全92話
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
雰囲気:シリアス
展開:未登録
モノクロの世界をマジメとヒィの二人は行く。穏やかな夢を求め、そして同じ境遇の人々に手を差し伸べながら。白と黒が基調となる世界でも、キャラクター達が峻烈な色彩を放ち、物語に奇妙な現実感を与えています。現実に似た異世界という設定、黒と白に分かれたルールに心を惹かれ、読み進めて行く内に、徐々に心を惹かれて行く……そんな作品です。オススメですので、是非ご一読をっ♪
シリアスかつファンタジーの作品の中でも、とても面白い作品。 小田原真面目《マジメ》と郡山秀《ヒイ》の2人が現実の世界とは別の世界であり、白と黒のモノクロの世界を歩む。 この作品の良いところは、モノクロの世界観をうまく表現し、何よりキャラクターの生に対する価値観や感情を読者に強く、印象深く書かれていて、とても良い。 最初の別世界に対する入り方も印象的で、読者に対して、「謎」を与えた感じ、「物語がスタートしました!」というような合図が作者の文章力、表現力によって綺麗な形で出ている。 読んでいくと黒のインパクト感、影響感が強く、逆に白という安心感を織り交ぜていく物語進行は素晴らしく感じた。拙い文章&上から目線で申し訳ないが、是非、一度「誰かが夢見るシロクロシティ」を読んでみてはいかがだろうか……