評価:☆☆☆☆☆ 0
未来の人間社会では、今とは異なる倫理観を持っており、また過去の倫理観を忘れず学ぼうとする世界である。
主人公である小学5年生の当真命は、極度に受身な人間だった。それを自身の短所と自覚しながらも、その性格を治そうとはしなかった。だから彼は膨大に与えられる情報を『知る』だけで、そこから発展して自分の考えを持つことはなかった。
ある日、彼は天真爛漫で純粋無垢な転校生の、優生あいと出会う。彼女は、過去を学ぶために作られた『家畜少女』だった。彼は優生あいと共に学校生活を送るうちに、無意識に彼女に惹かれていく。
これは、とある少年と少女のおはなし。わかりきった結末の、ただそれだけのおはなし。
雰囲気:未登録
展開:未登録
初めてレビューを書いています。拙い文章ではありますがご理解頂けると幸いです。電撃大賞の一次落選作品ということで読ませて頂きました。個人的には独創的な設定に気持ち悪いとも形容できる倫理観の上で命が意識を変えていくといった話に惹かれ楽しく読めました。しかしライトノベルとしては致命的なカテゴリーエラーを起こしていると思います。主人公を小学生におく点、物語にメリハリを見出しにくいのは問題だと感じました。終盤に新しい設定を登場させるところや兄そのものは必要性を感じませんでした。受動的な命が家畜少女の死によって世界を変える必要性があると意識を持つのは成長にあたると思いますが、具体性を帯びているとよりよかったと思います。そのまま何もせずに成長しているところをみると結局何も変わっていない、物語の意味がなかったと読まれる恐れがあると思いました。戯言と流してもらっても構いません。アイデアは好きでした。