評価:★☆☆☆☆ 0.5

僕は縁側にある座椅子に腰を据え、荒れ果てた庭の先に広がる雑木林を見つめる。そこに住まう鳥獣や虫を掻い潜りながら意識だけを鬱蒼とした雑木林の奥へと移動させ、薮のなかで息を潜めている人物を想像する。彼の服は水を浴びたかのように濡れそぼり、手にはナイフが握られている。彼はそこでなにかを待っているようなのだが、一体何者なのか僕にはわからない。それは、彼の正体を想像しようとすると、決まって背後の座敷から時江さんが現れ、雑木林をさ迷っていた僕の意識を現実へと連れ戻すからだ。時江さんは、一日中縁側に座っている僕の世話を焼く。僕はそのことに罪悪感を覚えながらも、感謝の言葉はおろか返事すらせず、雑木林ばかりを見つめて生活をしている。しかしその生活も、人語を喋る三毛猫の到来と、時江さんの消失によって終わりを告げるのであった。


話数:全5話
ジャンル: 

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族

時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

その他要素
注意:全年齢対象