桜庭(さくらば)在郷(ありさと)は、全寮制男子高校に通う一年生。学校祭の最中、何者かによって気絶させられた。在郷が目を覚ませた場所は、宇宙空間を飛行するシャトルの中だった。自分とは外見も言葉も違う、見知らぬ三人の男達に出会う。在郷が異星人だと思っていた彼らは、実は約四千五百年前に地球からルドベキア星と名づけた星に移住したルドベキア人の末裔だった。彼らが地球を訪れていた目的はルドベキア王室の極秘任務で、在郷をシャトルに乗せたのは手違いからであった。手違いとはいえ、任務で在郷を探っていたことは事実だった。在郷はルドベキア王国にとって重要人物の可能性があるとして、ルドベキア王国へ向かうこととなった。
闇組織を使いルドベキア王国の秘宝を得たベルギア国王は、秘宝を失ったルドベキア王国に総攻撃をかけようとしていた。だが、そんなベルギア国王の常軌を逸すると思われた行動も、実は手に入れたルドベキア王室の秘宝のせいだった。ルドベキア王室の秘宝には、権力の象徴である秘宝を独占すれば、狂乱の後朽ち果てるとの呪いがかけられていたのだ。
戦争を回避する唯一の方法は、秘宝の呪いで錯乱したベルギア国王から秘宝を取り戻すこと。編成された秘宝奪還部隊はルドベキア王国のジュリアン王子が率い、なぜか在郷もジュリアン王子の妹・ソフィア王女の代わりにベルギア王国へと乗り込んだ。
この時、ジュリアン王子は在郷がルドベキア王国に招かれることとなった真の意味に気付いていた。在郷は、大切にしている妹・ソフィア王女の婚約者として選ばれた男なのではないかと。何も知らさずに在郷を巻き込んだのは、自分自身の目でソフィア王女の伴侶として相応しいかどうかを見極めるためだったのだ。
秘宝を無事取り戻したことによって戦争は回避された。在郷はジュリアン王子の思惑を知らないまま、ルドベキア王国での思い出を胸にし、地球へと帰還した。
- 未登録
- 未登録