評価:★★★★☆ 4.1
【あらすじ1】
盲目の王子アルテミシアは、髪と目に色がないため、忌み子として神殿に幽閉されていた。王子の専属騎士兼幼なじみの少女クラウズェアは、そんな彼の状況に深く心を痛めていたが、何もできない。そんなおり、とうとうアルテミシアに処刑の命が下る。可哀想な男の子は、無垢な命を散らすのか?少女は、大切な幼なじみを救うことができるのか?そして、二人の少年少女が巡り会う、奇妙な魔物達。そのかげでうごめく、大人達の陰謀……
――世界が、始まる――
【あらすじ2】
年下の幼なじみは美少女フェイスの美少年!けど、とある事情で家庭不和。引きこもりで、友達もいない。おまけに超世間知らず。「わたしがこの子を守るんだ!」
一緒に家出したはいいものの、頼れる人はいなくて、二人きりじゃ心細い……って、幼なじみが魔物に取り憑かれた!?お母さん!?(驚)変質者!?(怒)あげくに、女グセの悪い俺様系マッチョの許嫁まで出てくる始末...
「強くならなければ!わたしが!……あと、おいしいご飯が食べたいな」
貴族はみんな魔術を使える世界で、チート能力を手に入れた美少年(王子)と、魔術の使えない女騎士(伯爵令嬢)が、魔物に助けられながら頑張ります!
――ちっとも萌えない人外ハーレムが、始まる――
時代:未登録
舞台:未登録
注意:全年齢対象
読みはじめの印象は、堅い話でガッチリ設定詰めて、読み手を攻めてくるのかなと戦々恐々しました。それは読み進めるうちに良い意味で裏切られました。温かい空気と優しさに包まれた作品です。派手さはありませんが、穏やかな快楽を読み手に与えてくれます。丁寧に丁寧にその世界に住む「人間」が描かれています。健気な(一人除いて)主人公達の成長を見守るのは朗らかな気持ちにさせられました。細かくいうとネタバレになっちゃうのでぼかしますが、ローズの武器かっちょええ。シアちゃん可愛い。個人的にはジャックが一番好きです。飄々とした性格と、この人の余計な一言から始まる寸劇にクスクスとさせられました。この物語の優しさに包まれたなら、きっとあなたも優しい気持ちになるでしょう。
忌み子として生まれた盲目の王子。魔法世界で魔法を使えない騎士。異世界に召喚された英雄。人の愛から生まれた魔物。そんな彼らが織り成すお話。天然だったり熱血だったり変態だったりママが大好き。だったりする彼ら。王子と騎士が、ゆっくりゆっくり成長します。そんな世界を、ゆったりゆったリ楽しめます。そんな小説。レビュータイトルは、文中から引用。レビュータイトルに興味を持ったら、この文が出てくるまで、ぜひ読み進んでみてください。