評価:★★★★☆ 4.3
構成術(こうせいじゅつ)―。
それは宇宙を形作る高次元空間構造に干渉し、術者が望む『結果』を獲得する力。
それが魔法や超能力などのオカルトではなく、科学技術として人々の生活に浸透するようになってから半世紀の時が過ぎようとしていた。
構成術を行使する者。彼ら『構成術士』の力は国の軍事力と同義となり、核開発が下火になった反動のように育成という名の開発競争は激化の一途を辿ることとなる。それは比較的戦争意欲の乏しい国々でも変わらない、時代の大きな流れだった。
ある国では「武力」として。ある国では「自衛力」として。
反戦争意識の強い日本であっても、望むとも望まざるとも依然として「それ」はある。その最たる例が、構成学推進国策機関。国立詞素(フォノン)大学付属第七高等学校。通称「七高」。
今年もまた、華々しい入学式を控えたこの学園には様々な悪意と思惑が錯綜し、新たな波乱の予感となって渦巻いていた。同シリーズに当作品の解説及び資料を纏めた「構成術士の欠陥因子~index~」を作成しました。
23万PV&3万8千ユニーク突破感謝!《OD(オーバーダイブ編)》完結致しました!
雰囲気:シリアス
展開:未登録
初見で私は度肝を抜かされました。現代を舞台にした作品で、ここまで設定や背景をしっかりと練った作品はあまり例がないのではないでしょうか。それも、単にありきたりな設定を並べ立てたものではありません。しっかりとしたオリジナリティがあります。さらに驚くべきは、それらがただの設定資料集ではなく、きちんとストーリーの中で機能し、ドラマを為しているという点。文章が簡潔で分かりやすく、専門用語の多さに比して読み進めやすいのも大きなポイントです。正直なところ脱帽しました。肝心のストーリーもSF、ファンタジーのどちらでも通用する内容だと思いますし、キャラクターたちもみな曲者揃いで魅力的。何より「私は異世界じゃなくて現代が舞台のバトルものを読みたいんだ!」という方には、問答無用でお勧めします。
表情豊かなキャラクター、躍動感のある戦闘シーンや緻密な背景描写。文章を読んでいるのに、まるで映像を観ているかのような感覚に陥る、圧倒的文章力!!う、羨ましい…!無我夢中でページをめくり、気が付くとあっという間に時間が過ぎてしまっていました。月並みな言葉しか言えない、自分の語彙力の無さに悲嘆してしまいますが、本当に面白い作品です!この後のストーリー展開が楽しみでなりません!