評価:★★★★★ 4.5

誰か助けて、と思い浮かんだその誰かの顔が、土方歳三やダーウィンの教科書写真だった。
挙げ句、縦穴式住居や黒船が浮かんだりと、人ですらなくなってきた辺り、あたしの青春は終わっている。

何故このようなことになったのか理由と事例を交えて、二百字以内で説明せよ。
なんて、自分に問い掛けてみたけれど全く答えが浮かばない。

あたしはこの男を知らない。
知らないけど、引っ掛かる。

それは、答えのない問題に挑んでいるみたいだった。

『非日常的日常』

高校受験を控えていたあたしの日課は、頭に知識を詰め込むこと。
追い込みだと言われている最近では、教科書を開かない日なんてない。

受験生だけれど、あたりさわりのない、ありきたりな日常を送っていたあたし。
しかし、マンションのエレベータである男と乗り合わせたことで、二転三転と日常が転がっていく。
武骨なナイフをあたしに突き付けると、男の口の端が上がった。

ああ、なんて運のない。


話数:全7話
ジャンル: 

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族
  • 未登録

時代:
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

その他要素
注意:全年齢対象