評価:★★★★☆ 4.2
中二の倫太郎は、ある日、浜辺で倒れている女の子を拾った。
倫太郎と同じ中学で、同じ学年だという彼女だが、会話はどこかかみ合わなくて。
彼女、ミナミ、は十四年前、1998年からタイムスリップしてきたようだ。行くあてのない、戻る方法のわからないミナミをとりあえず自宅にかくまうことにした倫太郎だけど……?その昔、「ソングノベルス大賞」という公募に出した作品です。テーマアーティストの楽曲をひとつ選び、その曲をイメージした話を書く、という主旨でした。ちなみに、この回のテーマアーティストは「スピッツ」でした。
※2012年に一度改稿してます。
時代:未登録
舞台:パラレルワールド
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
丁寧に言葉をひとつずつ積み上げて書かれた、そんな風に感じる小説です。中二の少年が、ある日浜辺で倒れている女の子を拾います。14年前からタイムスリップしてきたらしい同い年の女の子。行く当てのない女の子を少年は自宅に匿うことに。登場人物たちの日常や会話、そして時間が、背伸びのない、無理のない表現で描かれているのが非情に好ましいです。数年後、読み返したくなるような、心に残る物語でした。