評価:★★★★☆ 4.1
死の峡谷と呼ばれる魔境に一人の聖職者がいた。
聖職者は回復要員として重要視され、冒険者パーティーからの誘いも多い後衛職である。
だが、彼は独りを貫き、誰とも組もうとはしない。
後衛職でありながら巨大なメイスを振り回し、死の峡谷に居座る彼にはいくつもの呼び名がつけられていた。
『死者の聖者』『暗黒のひきこもり』『一人を極めしもの』
今日も彼は死の峡谷で狩りを続ける。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:異世界
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
真っ当な人間なら近寄りもしない死の領域にその聖職者は住んでいる。一見するとノッポの優男。その実、彼から飛び出るは慇懃無礼の毒舌と卑怯上等の謀略や初級魔法という名のナニカ、何より異様な物理攻撃。彼の者の名は『ライトアンロック』。その名が意味するものは―チート能力やハーレムなど本作の主要要素そのものはなろうでもよく見かけるもの。しかし、おかしい。何かが普通と違う。まず、チート級の能力こそあるが、それを最大限生かすために聖職者…というかこの手の主人公にあるまじき卑劣戦術を多用している。次にヒロイン、どいつもこいつも属性の組み合わせがおかしい。当然、無難なテンプレヒロインなど一人もいない。総じて、「一見普通なように見えて全然普通じゃない作品」である。特に「俺Tueeeはもう飽きた!でも主人公弱いのは絶対嫌だ!」とか「個性的な作風の例題が欲しい」とか思っている方は一読の価値あり。
回復役は戦闘を行うよりも、回復に専念させる方が吉である。それを示す通りなのか、RPGなどで回復魔法を覚えている回復専門キャラが稀に攻撃魔法や攻撃武器を持っていますが、正直、補助程度。せいぜいエネミーを皆でフルボッコ地獄の時に、お遊び程度で攻撃を行わせて参加させるぐらいです。 しかし、この物語の主人公、ライトアンロックは違います。正真正銘、戦う回復役なのです。 聞いているとムカついてしまいそうな常時丁寧口調の優男から繰り出される巨大なメイスの一撃と、補助魔法により強化される肉弾戦。 一癖も二癖もある人物たちとの交流は、彼が普通の存在でない事を表していると思います。 殴る蹴る、メイスを振り回して戦い、回復する。 そんな攻撃型回復役が主人公の小説です。
さて、MMOには『殴りプリースト』と呼ばれるキャラ構成があります。これは本来は回復職のはずの職業(例えば僧侶等の)を物理戦闘に特化させて育てた特殊なキャラの事です。さて、ここまで読んだ『あなた』に質問です。もしも、この殴りプリーストがMMOではなく現実を舞台にした小説のキャラとしていたらどうなるのでしょうか?この小説はもしも後衛職である聖職者が前衛職である騎士や戦士のように戦えたらどうなるかという事が読める独特の小説です。主人公の『ライトアンロック』は前衛よりも強いと言える程の実力を持った殴りプリーストとです。私の先ほどの質問の答えが気になる方は是非この小説を読んでみてください。この小説が答えです