評価:★★★★☆ 4.4
いつからここにいたのかはよく覚えていない。この糞みたいな場所で、私はいつも空を見上げていた。空に浮かぶ大きな大きな太陽。誰にでも優しく降り注ぐ暖かな日差し。もしもずっと晴れならば、この世はどんなに幸せなんだろう。だから私は明日も晴れるようにと毎日祈り続けた。泣くのを堪えて、必死に祈り続けたのだ。
そして、寒くて薄暗くて冷たくて糞みたいな雨の日に、私達は死んだ。
――そう思った。※無事完結できました。ありがとうございます。
また、書籍化も決まりました。出るのは秋過ぎと大分先なのですが。
その間に、外伝とか更新したいと思っております。
話数:全48話
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:成り上がり
その他要素
注意:残酷な描写あり
2015年2月完結のシリーズ物の一つ。単品でも充分楽しめます。この(〜〜少女)シリーズは大抵グロい描写がありますが、コレもヒドいです。200人以上(!)の子供を犠牲にした人体改造の実験で、能力強化を施された少女が、激動の戦乱の只中に放り込まれる、というストーリー。戦争のおぞましさを見事に、生々しく表現してます。胸糞注意です。が、戦記物で在りがちな、味方キャラがどんどん死んでいく、という事はないのでその点は安心。主人公ノエルは十代半ば〜後半(?)。彼女の天真爛漫な性格には癒されますが、ラブ要素はほぼなし。少し残念です。かなりヘビーで胸糞展開もあるけど、途中でやめる事が出来ない程惹き込まれるこの作品、書籍版共々読んでみて下さい。(書籍版ではとあるキャラの名前が違います。)
読み始めてすぐ、ダークな世界観や寄宿舎もののような冒頭に引き込まれます。番号で呼ばれる人物たちを想像するだけでも、いたたまれない気持ちになり、先の展開を知りたいという欲を刺激してくれます。読み進めることで得られるカタルシスは、作品の強い魅力ではないでしょうか。他シリーズも合わせて、一度物語に入り込んでみてはいかがでしょうか。
過酷な戦乱の時代を駆け抜ける、少女の苛烈な物語です。今は亡き友達との約束を果たすと誓い、己の知略と圧倒的な強さでのし上がっていく主人公、ノエル。彼女の長い戦いの旅路が始まる第一話を読めば、たちまちこの荒涼とした世界にのめり込むことができます。ファンタジーの醍醐味のひとつは、物語の世界観に浸って一緒に旅をしているような、心地のいい錯覚を与えてくれるところだと思います。冷たい雨粒や勝ち鬨の声、土煙をあげて激突する大軍勢などなど、壮大で厳しい世界がここにはあります。ノエルの戦いと火輪が意味する結末を、見届けてみませんか?
普段レビュー等を書かない私も筆を取りたくなる、そんな作品です。秘密に満ちた少女が、激動の時代にある大陸で己の信念を守るために、智謀をめぐらし、勇をふるい、生き抜いていきます。少女の諦めない姿や先陣を切り味方を鼓舞する姿に胸をうたれます。また、徐々に明かされる謎めく少女の出自、因縁が興味を誘います。文量も気軽に読んでしまえるサイズですし、非常におすすめの作品です。
少女シリーズはどの作品もとても面白く読ませてもらいました。今作は帝国内での戦争を主に描かれていてその中で少女は[幸せとは何か]という生きる目的を考え幸せをつかむ為に戦って行きます。 少女の考えを通して幸せとは何か、生きるとは何か、と考えさせてくれる作品です。激動の時代…果たして彼女は幸せになれたのか?
読み進める間、炎の一文字が頭をよぎる。これは、そんな成り上がり戦記ものだ。緻密な世界観、情緒溢れるキャラクター、心躍る展開。その全てが熱く、心を燃やす。その世界は退廃然としていて、陰惨で、けれど高揚を抑え切れない。原因は恐らく、主人公であるノエルにある。轟々と、確かな怒りを燃やす彼女の強さに、だ。悪鬼、もとい少女の行く末は地獄か、あるいは理想郷か。いずれにせよ、読者はその道のりに多くの死体が重なる様を目撃するだろう。まあ要するに、展開が熱くて主人公強いからオススメだ。