評価:★★★★☆ 4.2
僕が住んでいるマンションで、子供が餓死する事件が起きる。
子供の死体が発見される数日前、僕は子供から手紙をもらったという女性と会っていた。
死体の出した手紙。聞こえるはずのない悲鳴。――子供の死に責任があるのではないかと考える僕は、隣に住む佐々木さん、その囲碁の師匠である櫻井先生にどうすればいいのか相談をすることになる。
というちょっとミステリーなお話です。
主人公を変えた、「死んだ子供からの手紙アユミver」も掲載しています。
話数:全4話
ジャンル:ミステリー
時代:現代
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:悲劇
「死んだ子供からの手紙」はタイトル通り、しまうまさんの作品にしては珍しく人が死ぬお話だ。基本的には残酷さや派手さよりも、何気ない日常の中で起きた少しだけ不思議な事件、ちょっとした謎から話を進めていく。そこから探偵の謎解きまできちんと組み立てられていて、トリックや伏線の回収も丁寧。清涼な読後感が残る。依頼者役の佐々木さん、探偵役の囲碁の先生、刑事と、登場人物は過不足なく。年上の人間にしっかりした年上らしさがあるのも、しまうまさんの作品の魅力だ。しまうまさんは文章で人を怖がらせるのも上手い。背筋がぞわぞわっとする作品もあるので、これを読んで面白いと思ったら、他の短編も是非読んで欲しい。