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清涼殿にて残業に追われていた薫と紅蘭は、深夜、突如として鳴り響いた絶叫に、夜御殿での異変を察し、直ちに駆け付ける。夜御殿では、気絶した帝を抱えた東宮が、床に突き刺した太刀を握り、かろうじて意識を保っていた。驚愕する薫に、自らも毒を盛られたと告げ、倒れる東宮。急遽二条院へと戻った薫は、皇后も負傷を負い、倒れたとの知らせを受ける。未曾有の大事件に震撼する殿上では、事件の重要な鍵を握ると思われる帯刀(たてわき:東宮の守護が役目)が総じて行方不明となった事から、東宮が帝位の簒奪を図ったのではないかという憶測が飛び、紛糾する。不安に揺れる宮中では、事件を契機に各々の思惑が複雑に絡み、仕掛けられた陰謀は連綿として東宮の凄惨な過去を呼び起こし、やがてひとつの因縁に辿り着く。生来より齎された東宮の非情なる宿命、迫り来る恐怖に垣間見える悪意、そして『王族の毒』とは……。ついに姿を現した宿敵、八条宮。毒に倒れた東宮と、謀叛の罪により罷免され、幽閉される薫。連続する苛酷な危機、逃れられない悪縁により被った絶体絶命の窮地を、果たして東宮と薫は、どう切り抜けるのか……。
時代:平安時代
舞台:未登録
雰囲気:感動
展開:未登録
注意:全年齢対象