評価:★★★★☆ 4.1
「勇者になってよ!」
「君は一体何を言ってるんだ」絶望的に噛み合わない出会いを果たした、銀髪の女神リアーヌと、
槍を手に、師の技を極めんと生きる少年ニルス。
彼らを繋いだのは、一つの神器と神霊。「私は貴方をマスターとして認定します」
少女の手は少年にただ一つの力を与える。
神器――人知を超越した神の力の片鱗を手にした少年の運命は如何に。などという堅苦しい展開は親譲りのフラグクラッシャーを発揮する
女神が悉く壊し、マイペースな神霊の少女はマスターにベッタリ。
文明が急速に発展し始め、技術と魔術が鎬を削りあう鉄と魔の世界で、
どんな困難にめぐり合おうともまあ、何とかなるか、と流してしまう
大物の少年が紡ぎあげる漫遊譚。これは、戦神から続く新たな担い手の奏でる四重奏(カルテット)。
※作者の作品「神器を統べる若神様」の後継作にあたります。それらを前提とした内容も幾つか含まれますのでご注意を。
話数:全128話
ジャンル:異世界ファンタジー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
強い。芯が通っている。折れない。そして優しい。そんな正統派主人公。しかし作者はエンターティナーとしての配慮も忘れてはいない。慕う女は数多く、女神を筆頭に咲き誇る。しかしそれもこの男なら許せる。心の底からそう思う英雄譚だ。孤高の戦士と思いきや、熱い戦いでは己を信ずる女達の想いすら力に変え、人を超えた存在をも屠る。あるときはシリアス、あるときはコメディ。主人公とそれを囲む者達の緩急自在のシンフォニー。主題は骨太に、そして足取りは軽やかに。それは最初から最後まで貫かれている。もちろん、それは終幕まで変わらない。作者が贈る四重奏は、きっと貴方を楽しませてくれるだろう。
「神器を統べる若神様」の後継作――しかしながら、本作からでも十分に楽しめる作品に仕上がってます。えぇ、かなり仕上がってます。まず、この作品のみどころですが、すんなり頭に入ってくる地の文……これは作者様の他の作品でも実証済みです。要するに、読みやすいのです。 そして、会話を挟みながらの真面目なストーリー?いやいや、ケモミミ! もふもふ! カオスな展開! どんと来い!マスコット的な『ミリエッタ』……そして、言わずと知れた超ダメイン『リアーヌ』おいおい! ニルスよ何処へ行く?さぁ、作者様の挑戦に勝てるのは貴方しかいない。(なんの勝負だ)(笑)