評価:★★★★☆ 4.3
一条絢十は、10年前に消えてしまった幼馴染みの夏奈深雪を追って平和な東京を離れ、政府の定めた第一級閉鎖指定地区“京都”へと潜入した。だが、隔離都市となった京都は、人と怪(アヤシ)が混在する魔都と化していた。人類が生態系最下層に位置する魔都で、絢十は京の街に秩序をもたらさんとする組織、京都多種族安全機構の一員となってしまい……! 京都の街を、この街で最弱のヒーローが疾走する! 『京都多種族安全機構』お楽しみ頂けたなら幸いです。※ネット掲載が初めてですので不慣れな点があると思いますが、ご容赦ください。◆アース・スターノベル様より書籍化されました。ありがとうございます。◆
時代:現代
舞台:未登録
注意:残酷な描写あり
日本人ならば誰でも心の奥に憧れを抱く、千年の都。それが京都である。この物語は、その京都が怪異が暗躍する魔都と化したという設定をフルに生かす。 ボーイ・ミーツ・ガールから始まり、物語はスピーディに進行していく。 彼はただの人間。幼き頃の想いを自らに課した枷とし、弱い体に剛き精神を備えて自分の目的を果たそうと懸命にあがく。 彼女は鬼と人の間に生まれた鬼神。振るう剛腕は地を割り、人と怪の争いを鎮めんと勇敢に飛び込んでいく。まさに戦闘の申し子、されど彼に注ぐ視線は一つの秘密を秘めていて。 千年の古都の大半は廃墟になれど、この地に生きる者達の為に、二人は改造原付で爆音立てて走り回る。立ち塞がる脅威も恐れず、軽妙な会話にお互いへの信頼を詰め込めるだけ詰め込んで。 抱えた後悔を今を生きる力に変える為に、彼と彼女は今日も背中合わせな毎日。