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どこまでも暗くて、どこまでも淀んでいる。
隣人である闇は常に囁きかけ、生きるものを惑わす。それでも、翳りの街は完成された世界だった。
街に端は存在せず、ゆえに中心も存在しない。
端を目指して歩いてゆけば、ぐるりと回ってもとの場所にたどり着く。
だから、完成された世界。――それまでの記憶をすべて失い、完成された退廃の街に投げ出された少女は、
虚ろな心を抱え、葬送の歌を口ずさみ、花を探し、死したものを土へと返す。
ある日少女は、街の出口を探す少年と出会い、言葉を交わす。闇が囁き、果実が歌い、雲間の光は鐘の音を降らせる場所で起こる、断片的な物語。
時代:未登録
舞台:異世界
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:全年齢対象