評価:★★★★☆ 4.1
裏見香子、16歳。駒桜高校1年生。昼食代を家に忘れてしまった彼女は、女子将棋部の部長と学食メニューを賭けて勝負する。初心者を装って圧勝した裏見だったが、それを部内の実力者、駒込歩美に見破られ、入部を促されてしまった。目標は市内優勝。81マスを巡る、少女たちの青春物語。※原則2日おき更新、平日は午前7時、土日は午前10時に更新。アルファポリス第7回青春小説大賞最終候補作。
※続編『凛として駒〜香子の大学将棋物語』(http://ncode.syosetu.com/n0474dq/)
※番外編『こちら駒桜高校将棋部〜Outsiders』(http://ncode.syosetu.com/n2363cp/)
注意:全年齢対象
『ヒカルの碁』好きですか? ジャンプでやっていた漫画です。私は大好きでした。 あの漫画の凄いところは碁という、ジャンプの読者層には馴染みがなく、しかも、漫画の題材として地味な碁でみんなをワクワクさせたところだと私は思うのです。 『こちら、駒桜高校将棋部』は、女子将棋部の本格派将棋小説です。飛び交う思考の攻防、つばぜり合いのようなハラハラとした大局。ものすごい読み応えがあり、個性的なキャラたちの掛け合いも素敵。 将棋を知って入れば、とても楽しめるのは当然ですが、ヒカルの碁を知らない人があの漫画に熱中できたように、この小説も楽しめる私は思います。 多少分からない将棋の専門用語が出てきても、勢いで斜め読みして、キャラたちの真剣な盤上の戦いを味わっちゃえばいいのです。作者の丁寧でいて、リズミカルな描写から漂う雰囲気が、将棋を知らない人でも、将棋の勝負の世界を楽しませてくれるはずです。