評価:★★★★☆ 4.4
「BACKWORKER’S ROCK」外伝。
冴えない会社員だったバージル・キルチャーズは、ある事件をきっかけに、闇に蠢く異形“メメント”の存在を知る。九年後、バージルは、メメントを狩る〈異法者(ペイガン)〉として、裏社会に身を置いていた。
ある日、裏稼業の窓口役ヴォルフ・グラジオスから、〈異法者〉志願の新人を監督するように頼まれたバージル。渋々ながらも承諾した彼が引き合わされたのは、冷めた碧の目をした青年レジーニだった。
筋こそいいものの、協調性に欠ける問題児のレジーニに対し、とまどいながらも指導を続けるバージル。
そんな中、かつて想いを寄せ合っていた女性セリーンと再会。
裏稼業者としての自分と、一人の男としての自分との間で、バージルの感情は揺れ動く。
※内容はBWRシリーズ本編とは関わりのない、独立したストーリーです。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
男は〈闇〉を見た。知る必要のなかった〈闇〉を。その恐怖から逃れるべく、彼は敢えてそこに飛び込んだ。安物スーツとビジネスバッグを捨て。ヴィンテージのライダースーツと〈闇〉に対抗しうる唯一の武器を手にし。冴えない男は、ハードボイルドに生まれ変わった――――九年後異形を相手とする裏稼業者となった男は、クセのある新人の研修を任され頭を悩ませていた。その最中に、彼は九年前に置いてきた〈過去〉と再会する。現在と過去の間で揺れる彼に、聡明な新人は言う。「あんたは自分を偽ってる」本当の自分とは何か自分が本当に求めていたものは何か――それに気がついた時、男は真に羽ばたき始める。洋画のようなハードボイルドと、濃密なロマンティックシーン。そして迫力のSFアクション!BWRシリーズ外伝。ですが、単体でも楽しめます!悩める男のカッコイイ生きざまを刮目せよ!
男がいた。平凡な人生に生きてきた男がいた。彼はその性分から損な役回りこそ演じてはいたが、自身の人生に特段不満はなかった、はずだった。 ソレを、メメントと呼ばれる怪物を目の当たりにするまでは。そうして、バージルは裏家業へと堕ちた。十年もの歳月で、彼はペイガン、というメメント退治の仕事人となった、それも一流の。BWRシリーズの外伝とされていますが、主人公が渋くてカッコイイせいなのか、全く違うテイストの作品です。とかくバージルが渋い。ハードボイルドを地で行くストイックな男です。彼は危なっかしい新人のレジーニを心配したり、十年前の想い人であったセリーンと再会して、自らの人生を見直します。自分には何の価値もない、そう思っていたバージルは数々の出来事を経て、気付く。自分にとって本当に大事な物が何なのかに。その選択による結末がどうなのかは、是非その目で確認して下さい。