評価:★★★★☆ 4
―俺が三人を殺した。しかし、この地球の人間には俺が三人を殺した方法も、俺の動機も、何一つ分からないだろう。
国際宇宙開発センター内で三人の男女が毒殺された。彼らを含む六人に出された紅茶は六杯。その内、毒が入っていた紅茶は、彼らが口にした三杯のみだった。
犯人は最初からその三人を狙ったのか。それとも、六人の内、ランダムに三人が死ぬことを狙ったのか。
探偵シュピーが、この奇怪なロシアンルーレット殺人の真相に迫る。
話数:全12話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
この作品は面白い。初めにオチと犯人を確認してから推理小説を読み出す私が、ネタバレを見ずに最後まで読み通すくらいに面白い。(すみません、私は最低な人間です)動機? トリック? アリバイ? もちろん犯人について熟考するのも良いだろう。けれどなんの予備知識もなく、この作品の中に飛び込んで欲しい。何と言ってもこの作品には初っ端から宇宙人が登場するのだ。普通に考えても、まずトリックは見破れない。それでももしもあなたが自力でこの謎を解きたいと願うならば、すべての常識を疑う必要がある。自分こそが「普通」で「当たり前」なのだという偏見めいた認識を取っ払うことができれば、あるいはこの謎は意外にも容易く解けるのかもしれない。この物語の結末を知り、自分の思い込みに気がついた時、この推理小説は正しくSF作品へと進化するだろう。