評価:★★★★☆ 3.8
敵潜水艦と戦うのは野生のクジラ・・・!? 新任獣医少尉、垂木水菜(たるきみずな)と、はぐれクジラのセイゲンが新鋭潜水艦に挑む。
水菜は着任先の研究所で、変人先任士官の腰水(こしみず)と出会った。腰水が会話をするその相手は、なんと鯨。人類と鯨のコミュニケーション能力向上は皮肉なことに、鯨の軍事利用を一段と加速させていた。協力を拒んでいたセイゲンも、水菜が仲間の病気を治したことをきっかけに参戦。高い能力を示す。戦局の悪化と共に、出される指令は過酷なものとなり、ついに、セイゲンは核爆雷を抱えて敵艦隊に突入する役目を負わされる。果たして水菜とセイゲンの運命は・・! クジラと人間の絆、海洋バトルチックな物語です。
話数:全7話
ジャンル:エピック・ファンタジー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
海洋小説という分野がある。それはもう、古い古い時代から連綿と続く分野で、海底二万リーグという誰もが知るSF作品、帆船時代の大英帝国を描くボーライソーにホーンブロワー、オーブリーといった名作の数々。海を舞台としていれば、それは海洋小説なのでしょ?という諸兄もおられるかと思うが、私は否と言いたい。その表現に、その行間に、波の音が響き、潮の香りが漂わなければそれは海洋小説ではない。そういう意味で、このお話はとてもスリークでスマートなSFの体裁をとっているが、素敵な海洋小説だと言える。読みやすく、キャラクターを生き生きと描き、そして行間に潮の香りが漂う。時々、なろうでこういう作品を見つけると、ああ、ネットというのは素晴らしいなあと思う。