評価:★★★★☆ 4.3
須山一樹は、ちょっと名前が男の子っぽいだけで花も恥らう普通の女子大学生だ。そう、普通だ。少々、十か月前に異世界に行っていただけだ。そんな一樹は、何の因果か再びその地を踏むことになる。
しかもそこは、嘗て来た国と敵対国で、更に十年経っていた!プライムノベルスより書籍化しました。
※60話前後から、異世界語、過去、日本語のかぎカッコが入れ替わってしまっています。ミスです、申し訳ありません。最終章の入れ替わりは仕様です。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
都合主義設定の欠片はなく、本当に凡人転生なスペックとエネルギッシュなキャラたち、緩急激しいやり取りににまにましました。ルーナのハイスペック過保護王子さには色んな意味であらゆる作品のヒーローイケメン、頭上がらない…(^^;キャラとしてはアリスちゃんとエレナさん、叔父様が特に好きです。アリスちゃんのパンツを拝みたいし、エレナさんのお褒めを頂きたいし、叔父様とお話してみたい
よくある異世界無双物ではありません。チートもありません。でも、作者様の素晴らしいコメディセンスにひたすら笑わされ、シリアスに胸を痛めつつも主人公のコメディにクスっとさせられ、そして愛に泣ける作品です。主人公のカズキはバカです。チートなくても、現代知識で内政チートやら軍師チートしちゃうお話は結構ありますが、カズキはバカなのでそんなことはできません。ただひたすら純粋で、まっすぐで、だからこそ悩む一番身近に感じられる主人公だと思います。 女性物にありがちな、女主人公だから男ばかり出てくると言うわけでもなく、素敵で魅力的な女性も沢山出てきます。まず読んで!とにかく読んで!で、カズキと一緒に笑って笑って笑ってみませんか?あと、アリスちゃん誰よりも愛してます!
主人公は何もない所でスッ転び、大事な所で台詞を間違え、一生懸命にやって大惨事に終わる、とても残念な、そしてまっすぐで自分を顧みず周りを笑顔にする事ばかりを考える優しい女の子。チートも無く、環境も厳しく、しかしながら割と人運に恵まれ、2度目の異世界トリップを血まみれ怪我まみれ(※主に自分の失敗で)になりながら、自分にとっては10ヶ月ぶり、彼にとっては10年ぶりの異世界を一生懸命生き抜きながら、周りの為にも自分のできる事を精一杯やります。物語もキャラクターも丁寧に作られていて非常に好感がもてました。個人的に『彼方から』(ひかわきょうこ)的な、異世界行ってゼロから言語習得頑張る系がとても好きなので、かなりいろいろとツボでした。読後感もとても良かったです。ありがとうございました。
異世界に飛ばされて、でも懸命に生きて恋人が出来て、幸せを掴む直前に日本に戻されて、心が癒えてきた矢先に再び異世界に飛ばされる。飛ばされた先はかつての敵国。日本での1年は異世界の10年で、かつての恋人も、知人も消息が知れない。知れたところで、もう10年も経っていて、居場所なんかきっともうない。と、完詰み状態から物語がスタートします。魔法もチートも何もなく、人の命は軽く、神様も世界も本当に厳しい。でも、人間は優しい。ヒロイン・一樹の前向きさ、ひたむきさ、そして天然ギャグ生成装置っぷりは、重たくなりそうなお話をバカバカしいまでの軽い、そして暖かい話に変えていきます。本当は、人間だって厳しいんだ。でも、彼女の周りはいつだってどこか優しい。彼女みたいになりたいな。あの人たちみたいに、彼女に何かを返したいな。そしたら、この現実世界だって、少々手優しくなるのかも。
“チート過ぎるヒロインや、努力の末に高スペックになったヒロインは多いけれど、ここまでヒロインがお馬鹿さんな作品はないです。””馬鹿””ではなく””お馬鹿さんな””です。愛すべきお馬鹿さんなヒロイン。努力の末にも言語はきちんと習得出来ず、珍妙な言い回しになり、ある意味珍獣扱いのヒロイン。この作品は、他の方々も上げている通り公共の施設にいる間は読まない方が無難です。ヒロインの珍獣ぶりがツボに入りやすい書き方になっていて、シリアスなシーンが台無しになり思わず吹き出す作品です。逆にきちんとシリアスなシーンもあります。そのギャップが激しいのもこの作品の魅力のひとつだと思いました。”
みんな絶対読むと良いと思います。しかし人の目や耳のあるところで読むのはやめておいた方が良いかも。わたしの場合、夜中に家族に怒られた後も声を殺して笑い、電車の中で不審者のごとく肩を震わせて笑い、歩きスマホで笑いながら歩くヤバイ人と成り果てました。言葉遊びにも似たセリフのやり取りのみで、こうまで笑わせる作者の力技に脱帽です。超絶美形男子が平凡な容姿のおまぬけ主人公を、ただひたすらに愛してくれるという、全女子憧れのパターン。ありがちでありながら、破壊力すらある登場人物の魅力が読み手を引っ張ります。人間の醜悪な部分の描写もありますが、それも作者の人間を描こうという姿勢の表れと感じました。夢中になれる作品です。
架空言語を設定するのも、わざわざ話が通じない展開にするのも、作者にとっては面倒なこと。 言いたいこと伝えるのに文字数割いて、わざわざ回りくどい展開にせずとも、と、 だから異世界に行っても、謎理論や神様パワーで最初から異世界人とのコミュニケーションに問題なかったり、「主人公は勉強して異世界語をしゃべれるようになった」と説明だけして、文章表記としては日本語で書いてしまうのが、作者の立場からすれば一番手っ取り早い。 なのに、この作品は、わざわざコミュニケーション不順にしている。 そしてそれが、この作品最大の武器となっている。 シリアスはシリアスになりきれない。何気ないはずのやりとりでも、トンチンカン加減に噴き出してしまう。 けれども本当に大事な場面は外していない。絶妙な綱渡りを成功させている。 この演出の妙、誰もが一度は見てほしい。
恋愛小説が好きな方にも「恋愛小説なんて『少女小説』だろ」なんて思ってる方にもどちらにも読んでほしい作品です。だってただの恋愛小説じゃないんです!ギャグと言うにはシリアスすぎて、シリアスというにはギャグが強すぎる。読みはじめれば涙が出るほど笑い転げて「もう無理だ」と絶望するほどの怒涛の展開にのめり込むでしょう。ただのギャグでもシリアスでも恋愛でもありません。だってこの物語は主人公カズキがその身で体験する異世界の「歴史」の軌跡だから。異世界で優しい人々に出会って、たくさん笑って笑わせて泣いて、一生に一度の恋をして、だけどそんな優しさだけで世界は回らない。たくさんのそこに生きる人々の思惑や感情、優しさや醜さ、強さや弱さ、いろんなものが混ざりあって世界は回り歴史は生まれるのだと気づかせてくれる物語です。ギャグもシリアスも恋愛も全てを抱えて魅せてくれる一生モノの物語に出会ってみませんか?
とりあえず、「異世界トリップ」「恋愛」の組み合わせが好きな方、一読の価値ありの作品です。後悔なんてさせません。とっても面白かった!主人公は珍妙な言語能力(異世界語)で笑わせてくれるし、かといってギャグに走りすぎず、シリアスに泣かせてくる場面もありと、バランスがいい作品。なぜこんな超良作が書籍化もされずにいるのか不思議です。せめて一人でも多くの人に読んで頂きたくて、レビューを書いてみました。騙されたと思って1話だけでも読んで下さい!ほんとに!面白いって分かるから!!
外国の女性タレントでたどたどしい日本語を話す人がいるアジア系の人に多いがとてもあざと可愛い そしてこの話に出てくる主人公は異世界にとばされてたどたどしい異世界語をはなすのだが…… いやぁ何故ギャグになるのだろうか?かすりもしない言葉を発する事もあるので、もうこれは主人公の記憶力の問題かも知れない。 ラブシーンになると肝心なところで笑いが入る 可愛らしさよりも珍妙さが際立つ主人公 だけど善良が服着て歩いてるような人柄のせいで、傷ついてる人の心にスルリと入り込む。戦争が長すぎて、疲弊して他人を警戒してる人達の心を和らげる。 なにより素敵なのは「笑わせる」力 不幸な時こそ笑え。ツラい時こそ笑え。 その笑顔に周囲が心配する事もあるけれど 泣くより笑顔になろうとする主人公の そんな心意気が好きです