評価:☆☆☆☆☆ 0
木野良孝は怪談である。
【怪談:条弧池の書生】に扮し、世に蔓延る欺瞞と日夜戦う阿呆である。
その傍らには何の因果か弟子一人、木野と同じく【怪談:窓辺の人形子】を自称する、人形抱えた黒髪おばけの姿があった。
偏屈な変人たちが互いに互いを化かし合う、これは演技と欺瞞の物語。
――――その夜、怪談が現れて、怪談が終わる。
全9話完結。本編完成済。
ホラー作品ではないので、怖い話が苦手な方もお気軽にどうぞ。【カクヨム】様でも掲載中となっております。
話数:全9話
ジャンル:ヒューマンドラマ
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
木野良孝は怪談である。この一文から始まる本作、さてはホラーかコメディか。身構えて読み進めれば進めるほど、その印象はぬらりと翻されていく。もう一人の怪談「窓辺の人形子」との出会い。そこから始まるもう一つの物語。だがそれすらも、ぬらり、ぬらりと掴みどころがない。――まるで、化かされているかのようだ。そうして、物語は一つの結末を迎える。それはあっけなく。さりとて、まるで怪談を聞いた後のような、ほっとした感覚。この作品は、まさに「怪談」である。寝付けぬ夜に、一席、如何?