評価:★★★★★ 4.5
美術は、人々のまなざしの歴史だ。
当時を生きる人々がどんな風に世界を捉えてきたか。
どんな風に世界を切り分けてきたか。
ひとつの額縁の中であらわになる。コトノハの美術館は、
今を生きる私と君がどんな風に世界を見ているのか、
その眼差しの足跡がほかんされています。入場料は、今を生きる私と君は無料です。
過去を生きる人たちと、未来を生きる人たちは――
来てから考えましょうかね。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:ほのぼの
展開:未登録
注意:全年齢対象
【詩】を【展示】するという斬新なギャラリー。我々の気恥ずかしい心象風景――くすんでしまっていた古い絵が、言の葉で昔のままに修復されるというのは見事な手腕だ。修復された言の葉の絵画はようやくギャラリーに並べられ、我々の目に留まることとなったのです。誰ですか、その腕のいい絵画修復士は?(ぜひご紹介いただきたい) 言の葉絵画から漂ってくる、「そう、我々人間は一人一人が芸術品なのよ! それをスケッチした詩がこれよ! さあさあご覧くださいな! 悶えて苦しむがいいフハハハハ」と自分で叫び、床に這いつくばりたくなるようなこの青臭さ。詩は時にシリアスなのに、要所要所で愛嬌溢れる現実に引き戻してくれる学芸員のコメントがいちいち楽しい。さあさあ入場は無料ですよ、ぜひフロアへ足をお運びください。 出口に爪先が届く頃には、忘れてなかった、捨てられなかった思い出を、あなたは大切にしまい直せるかもしれない。