高校一年生となった池宮樹は彼と同様、新しい制服に身を包んだ幼馴染である村崎柚花と共に少しの緊張と心の躍動を胸に三隅高校へと初登校する。樹の高校生活の滑り出しは順風満帆のように思われた。だが、それも束の間。突如として樹の目の前に現れた蒼髪の少女、ルーツィア・ハイドフェルトがもちかけた誓約の儀という儀式が樹の日常を壊すことになる。
この儀式により、魔動力と呼ばれる謎の力がルーツィアから樹の体に流れ込んだ。その負荷に耐え切れない樹は次第に自らの幸福な思い出だけが魔動力に蝕まれ、失われてゆく。
胸中で悲しみに暮れる樹はのちに現れたルーツィアの師であるという猫の勧めで魔動力の知識を持った先生へと相談を持ちかけた。その先生は樹の高校の校長だった。
校長と対面した樹はルーチェが別世界からフロンティアドライブを用いてこちらの世界に渡航してきた腕の立つ魔動師であること、そして記憶の喪失を止めるためには学校周辺で盗みを続ける盗賊団が持つ素材が必要であることを告げられる。
盗賊の駆逐に参加すべく生徒会長である藍原華音に手解きを受け、樹は徐々に魔動力の扱いに長けていった。柚花も魔動石と呼ばれる魔動力を秘めた石を用いて樹の戦力になれるよう必死で鍛錬に励んだ。しかし魔動力による記憶への侵食が予想外に速く、樹が模擬戦中に発狂した。
これを受けて盗賊駆逐作戦の時期が翌日に変更される。樹たちが実際に訓練を積んだ日数は僅かに一日。付け焼刃程度の実力で盗賊に挑むことを強いられた。
作戦当日。樹たちは魔動機と呼ばれる力を媒介する武器を手に、盗賊団のアジトへと赴く。そこにはルーチェの親友であるミルフィス、盗賊頭領であるソフィア、孤高の実力を持つ須藤の姿があった。
盗賊に力を貸す彼らもまた、複雑な事情を抱えている。互いの思いを貫くため、ぶつかり合うのは必然であった。
激しい戦いの中、須藤の離反や華音の活躍によって戦闘は学校側の勝利で終結する。捕らえられたソフィアは盗賊をやめることに不平不満を訴えるものの皆の説得によって改心に至る。そして校長はソフィアを高校生として迎え入れることを快諾し、彼女はいち高校生としての生活を送ることとなった。
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