評価:★★★★★ 4.5
ある晩、シリア駐在の米国大使館が襲撃され、警護の海兵隊を含む職員全員が殺害された。実行者とされるのは、失踪した特殊部隊員エイレーンと、エイレーンを暗殺に失敗して死んだはずのCIA工作員ヒービィ。彼等による次のテロを阻止すべく、CIAは対テロ・チームを派遣する。
作戦の主軸を担うのは、かつてヒービィと共に戦っていた工作員のレッド。そして不祥事から左遷させられた、陸軍特殊部隊、火器管理担当官のユキジ。二人は先発隊と現地で合流、作戦を開始するが、やがて事件の裏に隠された米国政府の暗部に気付き始める。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
やってみれば判るが、銃を撃つという行為は、用心金の中に指を入れて撃つだけの単純な作業だ。白兵の躍動とはほど遠い、静的な行為。なのに、非力な一般人でも、屈強な兵士を簡単に死に至らしめることができる。BANG!! 身も蓋もない。 故に、銃を用いる話は、戦闘だけ描写すればいいというものではない。戦いの動機、戦う者たちの関係、そして、終わった後に遺されるもの、これらをキッチリ描けなければ、読ませる小説にはならない。 この『セイフティ・ルール』には、それらの要素全てが、満天の綺羅星のように輝いている。 CIAの精鋭、レッドたちの任務は、テロリストの暗殺である。メインターゲットは2人、両名とも母国を裏切ってテロリストに果てた者であり、その片方、ヒービィはレッドの戦友だった……。 軽妙な筆致ながらも、迫力の描写であかされる驚愕の真実。読まなければ損、はっきり言いきれる問答無用の傑作である。