評価:★★★★☆ 4.2
――命より大切な想い、貴方はあると思いますか?
手の内にある幸せを代償に、願いを叶える能力。
柚希は自らの能力を使い、死の淵に立つ咲夜の命を救い――嫌われた。
彼の能力は自身に向けられる好意的な感情や想い出と引き替えに対象の傷や病を治す力だったから、一命を取り留めた咲夜には、柚希に対する負の感情しか残らなかったのだ。――そうして咲夜と疎遠になり数年、柚希は高校生になった。そんなある日、柚希の前に咲夜の姉が現れ、咲夜との絆を取り戻して欲しいと頼み込んできた。
咲夜との日々を取り戻せるのならと、柚希はあらたな一歩を踏み出すのだが……*『script少女のべるちゃん』にも掲載しています。*タイトルを元に戻しました。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:学園
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:全年齢対象
これは悲しい物語だ。レフィアというものはどうしようもなく救いがたくて、悲しいものだ。何かを得るためには何かを犠牲にしなければならない。それはきっと当たり前のことなのだけれど、残酷なことだ。もちろん何も失わずに全てを得ることが出来る人もいる。でもそれは一部の恵まれた人達だけだ。人は彼らを天才と呼ぶ。レフィアは僕達凡人が抗いようのない現状を変えるための能力だ。自らを代償にしてまで、誰かを、何かを変えたい。そう願った僕達に与えられた希望だ。それはただの自己満足に過ぎないのかもしれない。もしかしたらその行為を後々後悔するかもしれない。それでもその力をもってして誰かを助けたいというのは、きっと彼らの、レフィア保持者達の優しさ故なのだろう。だからこれは優しい物語だ。レフィア保持者は『青い鳥症候群』と皮肉を言われているが、僕はむしろ彼らは青い鳥を得て然るべきだと、そう思った。