評価:★★★★☆ 4
急な貧民街の取り壊しによっていきなり住処を失い難民となった『動物使い』犬獣人のウノは、伝手を頼って何とか新たな住居を確保する。
それは探索され尽くした全三層の元初心者向けダンジョン、いわゆる『枯れダンジョン』だった。
入り口からはモンスターが入ってくるわ、暗いわ湿っぽいわ、使い道に困る祭壇が最下層にデンとあるわ、枯れてるって言ってたのにそこには猫神様が棲み着いてるわと、問題山積みのこのダンジョンを……ウノはお金もないのに、何とか快適な空間に変えようと奮闘する!
注意:残酷な描写あり
主人公のマイホームとなった枯れダンジョンが、「彼らの」賑やかなダンジョンになっていくまでのあれこれのお話です。いっぱい(アニマルな)(そして幼女な)神様が出てきたり、合わせて異種族大集合だったり。主人公はただただマイホームが欲しかっただけなんですけれども、まったく野心はないんですけれども、やけに胆力のある彼はしまいにはそのうち彼自身も信仰されるんじゃなかろうかということになっていきます。だいたい神様たちのせい。しかしだいたい神様たちのおかげ。神様ってそんなもんかもしれません。なんだかんだとありつつも大変たのしげな彼らのマイホームは今日もああ見えて平和、かもしれない。あ、ヒロインは鳥類です。
こちらの作品はキャラクターの設定が巧い! アットホーム感がたまらない作品ですなぁ。ダンジョンファンタジー分野のなろう系の作品の中では良い意味で少し特殊な作品ですなぁ。ストーリー展開や設定、テンポ・そしてセリフ回しなども読み手様の心を掴むポイントを抑えている良作ですなぁ。ほのぼのライフ系的なストーリーが好きな読者様は必見ですなぁ!皆さま、四月の夜長にこちらの作品を読まれてみてはいかがでしょうか。