評価:★★★★★ 4.5
夏休み中のお盆三が日。十一歳の少年・駆は、曽祖父の初盆供養のため、両親と共に父方の田舎を訪れる。娯楽のない田舎での過ごし方が分からない駆にとっては、帰省は退屈なものでしかなかった。
初盆法要のあと、成り行きで村を散策することになった駆は、たどり着いた神社で政蔵と名乗る青年と出会う。
政蔵と共に村中を歩き回る駆は、やがて自然や生き物とのふれあいを通して、村の良さを理解していく。そして政蔵の身の上を尋ねると、彼は「人を迎えに来た」と答えて……。
少年が体験した、ひと夏の不思議な三日間。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:現代
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
古き良き時代の日本の風景が広がる田舎にしぶしぶ両親と帰省した少年、駆。わずか3日の滞在、その中で出会った一人の青年とのふれあいで、少年は心身ともに大きく成長していく。美しい描写に彩られた世界に漂う優しい風。その風に乗り、悠々と飛ぶとんぼたち。ラストはもう、とても涼やかで、懐かしさとともに田舎に帰りたいという衝動を呼び起こす。大きな手に撫でられたあの日を思い出して――これから迎える夏にぴったりの一作。あなたの心もきっと揺さぶられるに違いないのです。