評価:★★★★☆ 4.1
シーラとの戦いに勝利し、住民から指導者に請われたベルカンプ。
条件付で応じたベルカンプが理想の暮らしを模索するが、試算した金額に途方に暮れる。
一方ガライに伝令を飛ばし、国家間に発展する争いの種を消そうと官僚の来訪を取り付ける事に成功するが、思わぬ人物が訪れる事に……。
時を同じくしてクリスエスタからは給金を積んだ財務長官と護衛の近衛兵が来訪するが、はかりごとに疎いヒポスロスは近衛兵のゼマリアに後を託しニアミスのまま逃げ帰ってしまった。
地球では幸太が栄太の存在に気づき、とうとう地球から次々と物資の供給が始まるのだが、そちらもそちらで近しい大人達がが違和感に気づきはじめ……。
捕虜となったバロルと会話を続けていくうちに彼の素性、人生が次々と明るみとなっていき、その極端とも言える義理固さにベルカンプは祖父と言う存在を投影し、心を傾けていってしまう。
会う者会う者ベルカンプに惹かれ尊敬の念を抱くようになる中でバロルだけはその思いを固辞し、ベルカンプはあらゆる角度からバロルを口説くのであるが、その義理固い性格が災いし、とうとうバロルの刑が執行されてしまう。
ベルカンプの最後の賭けにバロルはとうとう首を縦に振り、刑に望むが、果たしてバロルの着地点とは…………。
話数:全45話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
正直にいえば、この素晴らしい物語には欠点がある。第一部から読んでいないと、面白さが判りにくいという点だ。第一部も出色の面白さを保証するので、このレビューを目にした方で未読の方がおられたら、一端レビューを閉じ、是非第一部から読んでほしい。 第二部は、サブタイどおり戦後処理の物語である。猛将カーンの百人斬りの件など、読み応えのあるイベントが目白押しだが、最大の山場は、やはり第一部で捕らえた賊将バロルの処遇であろう。 武のみならず仁をも備えたバロルを欲するベルカンプは、様々な策を用いて懐柔しようとする。しかし、理で説いても情で押しても頷かないバロル。彼の心をどう崩すのか。第一部の攻砦戦に勝るとも劣らない全身全霊の戦いが、文上で激しく矛を交える。 残念ながら物語には終わりがあり、戦いは決着する。読み終えた時、筆舌に尽くし難い思いに心が揺さぶられるだろう。そうしたら、もうこの物語の虜である。