西暦2020年。宇宙の知的生命体を殺戮して回る戦闘種族が、地球軌道にひとつの彗星を送り込んだ。その時は誰ひとりとして知ることはなかったが、彗星からは特殊な粒子がばらまかれており、地球に降り注いだ粒子は全地球生物の遺伝子に吸着して遺伝子情報を書き換えていた。その書き換えは絶対的優位情報となり、全人類、全生物は子々孫々に至るまで、その書き換えられた情報を遺伝子に持ちながら生きていくこととなった。
そして、約500年後の西暦2505年。戦闘種族は侵略者として地球に飛来、攻撃を開始する。各国軍隊も応戦したが、地球の兵器は侵略者に一切通用しなかった。侵略者の体には特殊なバリアが張られ、全ての地球兵器の貫通を阻止してしまうのだ。
が、そのバリアを打ち破る武器はあった。それは侵略者自身が使っている兵器。地球人は敵兵器を奪って反撃を試みる。だが、唯一の方法と思われていたその道も、すぐに閉ざされてしまった。
敵兵器は使用時に強制的に使用者の遺伝子情報を読み取っており、地球人の遺伝子情報では、その兵器群を使用することが出来なかったのだ。原因は500年前に飛来した彗星にあった。地球人は、2020年の彗星の飛来も侵略者の仕業であったことを知った。地球人は、始めから抵抗する術を持たないままの戦争を余儀なくされていたのだった。
侵略者は〈ブルート〉と名付けられた。十年以上に渡る「侵略者が一方的に殴り続けるだけ」の戦争とも呼べない戦争は、地球連合軍の壊滅により集結した。戦争が終わると、侵略者ブルートの本隊は「もう遊び飽きた」とでもいうように地球を去っていった。
生き残った人々は荒廃した町で肩を寄せ合い暮らし始める。だが、ブルートの残党は未だ数多く地球に居座り、地球人を蹂躙していた。西暦2520年。秘密組織〈ヴィーナスドライヴ〉の司令官レイナは、超技術〈タイムサルベージ〉を使って過去からひとりの少年を連れてくる。
彼は、侵略者による彗星が飛来する以前の西暦2016年から連れてこられた少年。遺伝子情報を書き換えられていない人間。侵略者ブルートと戦うことが出来る唯一の存在。
その少年、結城啓斗(ゆうきけいと)は、ベッドの上で目を覚ました……
ヴィーナスドライヴ
完結日:2016年7月15日
作者:庵字
評価:★★★★★ 4.5
話数:全74話
ジャンル:ヒーロー・アクション
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:ガールズラブ