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巨大な大陸というものが存在せず、細かな島がそれぞれひとつの「国」として機能している世界、《シェルファ》。
この世界では昔から、情報を他国に伝えるための技術が進まず、そのため、ある特殊な能力を持つ種族にそれを任せていた。
彼らはボイス・ポストマン――《呼人(よびと)》と呼ばれており、自分の中に依頼人の声や動作をそのまま記憶、コピーして、それを確実に再生できる能力を持っていた。
……しかし、時は進み、いまだ「郵便」技術は未熟なものの、かつてのようにシステムがほとんどなく不便な状態からは抜け出した《シェルファ》は、次第にその能力以外にも彼らの秀でた部分――身体能力や、思考力。「無私」であることを誇りにするような崇高な――ある意味、扱いにくい性質――などを恐れ、嫌悪し。
今ではその数を大きく減らされ、《呼人》は絶滅したとまで真(まこと)しやかにささやかれる始末である。主人公、『カキネナシ・カケネ』は呼人の数少ない生き残りであり、今でもその能力を使って《声を届ける》ことに自分の命をかける日々を送っている。
彼と、いくつかの島――「国」で起きていく、「人生」をめぐる、様々な「声」と「つながり」の物語。
世界は美しい場所であるはずだと信じている。
たとえ、世界から嫌われていたとしても。
――報われなくとも。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象