評価:★★★★★ 4.5
約二千キロの面積を有するクレーターは、十数メートルの鉄骨によって封鎖されていた。
クレーターの中には、様々な地域から集められた、移民や難民、犯罪者や障害者や政治犯などが流刑にされている。
この街は、各国からの放射性物質の廃棄場所となっており、放射能汚染に晒された場所である。此処は様々な地区が存在しており、カジノ街があり、利権を貪るマフィアの対立が存在し、違法薬物や幼児売春、残酷な処刑などがまかり通っているモラルの荒廃した『悪徳の街』と化していた。
話数:全26話
ジャンル:エピック・ファンタジー 異能バトル
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
311以降、放射能汚染問題は完全なるタブーとされ、うすっぺらな「絆」や他人事を体現した「がんばれ東北!」というコピーが溢れ、井上智徳氏原作の「コッペリオン」も内容が変更されるなど、我々は放射能汚染に対しあまりにも無防備で、何より無知だ。 「クレーター」という世界体系は、日本の未来を現している。依存性の高い「娯楽」だけが拠り所の世界。人権という価値も意義もゴミクズ同然となり、単なる「リソース」として今日を生きる為に未来を切り売りする人々。微かなシンパシーをぎこちないながらも手繰り寄せ、繋がり合う怪人達。 放射能汚染問題に、正面切って臨むアンガーシュに敬意を表したい。朧塚氏が描く地獄の群像が、読者の既成概念を焼きつくし、本来あるべき世界を知るための、一つの標となるだろう。