評価:★★★★☆ 4
現代日本に良く似た、しかし魔物が跳梁跋扈し、ダンジョンが発生し、魔法が飛び交う、そんな世界に生きる、魔物を狩る特殊な血統なのに職業選択の自由を叫んで技術職サラリーマンになった男が、仕事と恋愛と捨てたはずの血統のしがらみに踏んだり蹴ったりされたりしたりしながら送る日常模様。
短編作品:エンジニア(精製士)の里帰りを長編に起こした作品です。純粋に続きでもありますが、別に前作を読まなくても問題はありません。
完結しました、ありがとうございました。
※Arcadia様、カクヨム様、アルファポリス様にも投稿しています。※気づいたら御三方からレビューをいただいていました。ありがとうございますm(_ _)m
こちらが逆に作品について教わるような気持ちで読ませていただきました。
話数:全232話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
伝統と現代、伝奇と科学が混ぜり合う世界観がとても特徴的で素晴らしいです。敢えて最初から全部説明せずに、行間と行間から伝奇要素と主人公の特異性が少しずつ伝わるのも作者の腕の高さを伺えるところです。世界観の他にキャラクターも魅力的で、キャラの掛け合いが面白い。そして何が一番いいというと、主人公とヒロインが全力でお互いだけを見ているのがいいです。特にヒロインの主人公の理解者であろうとしているところが健気で感動しました。世界観の大きさの割にオチが少々物足りないかも知れませんが、一人の男が幸せを見つけてそれを全力で守り通すということは物語としては十分ではないでしょうか。もっと他のキャラの話を読みたい、そう思わせるほどの良作でした。ありがとうございます。
学生たちは学舎に通い、勉学に努める。 スーツを着た大人たちが、企業で働く。 パソコンやスマホの画面から顔を上げれば、嫌でも目に入る社会だろう。 けれども神秘が人の営みに組み込まれ、怪異が珍しくもない。勇者や冒険者と呼ばれる人々も当たり前に存在する、現代ファンタジーとも少し異なる、どこか歪な物質文明。 現実と同じように、サラリーマンに大それた野望も行動もない。 日々仕事として追われる自分の行いが、世界の中ではごく小さなものであると知りながら、充分な幸せを感じることができる。 混乱する世界を救う。世紀の偉業を行う。そんな大それた話ではない。 彼が戦うのは、世間のしがらみと、過去の因縁ーーそして愛する女性のため。 これは、いわゆるヒロイック・ファンタジーではない。 けれどもどこか正統を感じる、小さな英雄譚。
タイツル通り、文章になれた二十歳以上の方にオススメします。 最初は読者を引き付ける釣り針要素に欠け、我慢が必要ですが、「12話」辺りからは世界観や主人公の背景といった情報が出揃い、徐々に面白くなってくるスロースタータータイプです。 軽いSF小説や、ハリーポッターなどライト過ぎない程度の小説が読めるなら十分楽しめると思います。 現代ファンタジー作品ながら、世界観や社会文化が適度に凝っていて、面白い。 また、文章力も十分な為、今後に期待できる作品だと思います。 昨今の勢いだけで直ぐに失速して消えていく物と異なり、安定して話が進み、この先も面白くなるだろうと思える作品かと。 皆様、一先ず最新話まで、御一読されてはいかがでしょうか。