評価:★★★★☆ 3.9
放課後は嘘と女優とアイドルで―-
幼い頃アイドルの幽霊に取り憑かれた主人公は、アイドルが大好きになるという呪いをかけられる。
そして妹の心はスクールアイドルで有名な高校に入学し、アイドル部に入部しようとするが、オーディションに落選してしまう。しかしスクールアイドルの夢を諦めきれない心は、スクールアクトレスとなるべく演劇部を立ち上げることを決意する。
だがスクールアイドルを全校挙げて応援する学園内において、似た要素のある部活は認められなかった。そこで主人公はあの手この手を尽くし、演劇部創設と心の夢を叶えようとするのだが……
目立ちたい、親友とキスしたい、ストーキングしたい、それぞれ自分の欲望のために集まった
スクールアイドルになれなかった少女たち。
そんな利己的なゲスヒロインたちの演劇部の活動は、次第に学校全体を巻き込んでいく。
果たして彼女らの欲望は叶うのか。そして主人公の呪いは解けるのか?
今青春群像劇の幕が上がる。注意
本作品はスクールアイドルを題材としておりますが、メインは演劇なので、ラブライブみたいなものを期待しておりますと大分違うかと思います。
話数:全30話
ジャンル:ラブコメ
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
” 本当に正直な話、本作、最初の十話までは読むのが苦痛でした゜゜; というのも本作の序盤からは某「ひぐらし」的なにおいを感じたのです。 本作の序盤にて展開されるキャラ同士の掛け合いが、私にはとても「空元気」的な、中身の無いトークの羅列に見え、それがどうにも……。 それが、十二話に当たる””鏑木薫風は剣条芽理沙と~””で「おや?」となり。 そこからはぐいぐい引き込まれました。 そして終盤になる頃には、「どうして、本作の序盤はあんなに空元気的な空気に感じられたのか」 というのが、はっきりと分かるようになっていきます。 何故彼らの空気は「こう」なのか? ……読み進めるごとに、それらに全ての説明が付いていく構成になっているのです。 そして全てが判明した時、号泣(号泣)。 素晴らしく練られた、普遍性のある青春群像劇と感じました。すごくオススメです。”
スクールアイドルを目指す歌うま美少女・心と、心に歪んだ恋心を持つ兄の薫風。物語は合格間違いなしと思われた心が、学園の「アイドル部入部オーディション」に落選することで始まります。薫風には「ノロイちゃん」という元アイドルだった幽霊が憑りついていて、その力でアイドルに病的な熱意のある薫風。心のためにアイドル部に対抗する演劇部を発足させるのですが…、というお話。こう書くとありがちなプロットに感じるかも知れません。しかし、この作品はそれでは終わらないのです。アイドル物語でありながら主人公・薫風の気付きの物語であり、少女たちの自立の物語であります。キャラ造詣も一人一人、成育歴・性癖・価値観に至るまで見事に描き分けられており、さらにセリフまで重みがあって、40代の私が読んでも深く共感できました。最初は感情移入できるか心配だったんですが、高校生の話を40代が感動できる! それはすごいことです!
と、タイトルのように思ったのですが、逆説的には、「この作品が無料でwebで読める世界ハッピー!感謝」とも考えられるので、僕は世界の行く末をもう少し見守ることにしました。この作品は、スクールアイドル云々なタイトルですが、中身はアイドルがキャッキャするような物じゃないです。めっちゃ王道な青春活劇です。アイドル要素はひとつのスパイスでしかなく、本質は等身大の学生達の努力、友情、愛。そういったものです。僕がどこかに置き忘れてしまったと思っていた青春が、こんなところにありました。この作品の完成度は、かなり高いです。紙の本で売ってるものと遜色ないです。世界を滅ぼす力を持っている僕ですら、「これが無料で読める世界素晴らしきこと」と、存続を決めるくらいの完成度です。広大なネットの海に埋もれているのは我慢ならないので、みんなもっとこれを読むべきです。1クリックで世界救お?
一端の物書きとして、自分の作品と見比べながら色々な作者の作品を読ませていただくのですが、この作品を読んだときには「全てにおいて負けたな」と思いました。せいせいするほどに面白いです。キャラクターの個性がすごいです。全ての登場人物が一癖も二癖もあります。決して懐柔することのないくせ者たちの手綱をあの手この手を使って一つの演劇部としてまとめていく様子が見事です。そして、アイドルしか好きにならない、唯一リアルで好きな人間は妹のみ、というかなり偏狭な恋愛癖を持った主人公の、予想外の方向で進む恋愛模様も見事です。突拍子もないキャラと突拍子もない設定に基づいたコメディーかと思いきや、最後には全ての「突拍子もないこと」に肉付けがされ、果てには涙ぐんでしまうくらいの人間ドラマまで展開されてしまう。圧巻の一言です。ちなみに最後にどうでもいいことを書くと、僕はロリコンなので蜜葉ちゃん推しです←