評価:★★★☆☆ 3
映画オタクの高校生が,放課後にタイムマシンと未来人に出会い,親友を助けるために世間と時間の流れを変えようとしたたった数時間の話。
この作品は私が書いた『タイムマシン誕生の秘密』の関連作品になっています。これだけでも楽しめるようには書きますが,もしよかったら見てもらえれば嬉しいです。
http://ncode.syosetu.com/n6015dt/『タイムマシン実験記録』というシリーズの一つです。
http://ncode.syosetu.com/s4874d/『タイムマシン及び先端技術管理局 結成物語』という続編があります。
http://ncode.syosetu.com/n7983dy/この小説は「カクヨム」にも同名で掲載しています。
話数:全18話
ジャンル:タイムトラベル
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
いやー、一読して言える言葉は「良かった」の一言。この作品からは、もう、あれです、発想と勢いで一気に最後まで読ませる1970年代の日本SF発展期の香りがプンプンと漂ってくる。もし主人公である隆之介の一人称が「僕」じゃなく「俺」なんかだったら、ちくまあたりのアンソロジーに載っていても全くに違和感がない。もちろん、全くに粗がないわけではない。しかし、そんなことはどうでもいい。学校という狭い空間のみで、矛盾なく話を展開させ、伏線も綺麗に回収した構成力にただただ脱帽するばかりなのだ。青春ユーモアSFという、古典的ながらそこまで作品が多いわけではないジャンルに、社会問題も絡ませて挑戦し、見事成功された作者さんに乾杯。やや古めの日本のSF作家が好きな人には断然オススメしたい作品だ。