解離召喚士は平安に焦がれる

　大和王国では現在から約千年前の平安時代、貴族による治政は乱れていた。
　関東では京の朝廷に叛意を抱く勢力が出現。一路朝廷を目指し進撃を続けていた。
　限られた命の朝廷軍。方や無限の命を持つ怨念軍。徐々に劣勢となる朝廷軍に現れたのが、源頼光、安倍晴明の二人。
　見事、異界の者と化した怨念軍を討ち、怨念封じを行うために晴明と頼光は、同じく異界の生物である召喚獣を使役する術の開発に成功。
　世に平安は成った。
　しかし、それも今やむかし。
　現代。
　現代兵器を上回る能力を有する召喚獣も存在する召喚術は急速に広まり、大和国立召喚士学園という名の召喚士養成校が設立された。
　召喚士学生は、護衛対象となるお嬢様に二学年に進学する際にある選定試験で指名を受け、召喚士としての産声をあげる。
　そんな格式と伝統のある大和国立召喚士学園に、格式や高貴とは縁薄い一人の苦学生が入学することとなるが？
　苦学生が歩む道は、いつも茨の道？　彼は平安の地と出会うことができるのか？