評価:★★★★☆ 4.2
村では最強の牙だったインユェ。しかし理不尽な選定のため、長の娘の代わりに後宮に宮人として入れられることに。后妃に仕えていないただの宮人にはお手当てが出ない! 空腹に耐えかね、後宮の近くにあった山で蟲を狩ったその日、彼女は都に来てからの初めての友達を手に入れた。インユェは知らない。その男が何者なのかも、これからの自分がどうなってしまうのかも。これは狭い村の世界で生きてきた、自分の異常性に気付かなかった少女と、彼女の異常性すら受け入れてしまった男のじれったいラブストーリー……のはず。
話数:全71話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
蟲を狩る一族、その最強の牙たる主人公の少女インユェは、幼馴染の身代わりで後宮に入ることになる。 珍しい中華風ファンタジーで、下手な西洋風ファンタジーよりも世界観がしっかり描かれている。 主人公は蟲を狩ること以外の常識は知らないままに、それでも持ち前の強さと図太さで宮廷の貴人に混じって暮らしていく。 都会に出てまで近くの山で蟲を狩ったり、終始マイペースに振る舞う主人公の性格は小気味よく、一方で恋愛には疎い彼女が不器用ながらも好きな人のために働く姿は、ある種のいじらしさとして微笑ましく見ることができます。 一風変わった恋愛ファンタジー。テンプレ恋愛ものに飽きたなら、口直しにいかがでしょうか。
軽めの暇潰しに最適。久しぶりになろうで夢中になれた。恋愛、戦闘など描写が丁寧かつ読みやすいので一気に読める作品。獣の奏者やクシアラータシリーズが好きならよりお薦めできる。恋愛そのものよりも、ヒロインの心の機微に重点を置いているのだろうか。中弛みしそうではあるけれども、もう少し山の事やヒーローの心情を見てみたかったとも思う。なろうではあまり見ないタイプのヒロインだ(と思う)が個人的には嫌悪感はない。何処までも自由で彼女自身の信念に基づいて行動している為か、何処かビーンズ文庫のヒーローのような印象さえ受けた。あと人物の名前は片仮名で分かりやすいのだが蟲が一部読めなかったので、初回だけでもルビがあると助かる。ついでに人物の漢字は何をあてるのだろうか?銀月以外にも何処かで表記してくれたら嬉しく思う。