評価:★★★★☆ 4
神殿の前に捨てられていたロティは、孤児として大神女に育てられた。
しかし彼女には神女になるための資質がまったくなく、神殿に留まるには掃除婦になるしかなかった。
そんなある日、ロティは神殿が秘密裏に行っていた儀式の場に迷い込んでしまい、誤って精霊王をその体に憑依させてしまう
困惑する周囲の人々や面白がる神々に翻弄されつつも、一人と一柱は一体どうなってしまうのかこれは人間界に不慣れな精霊王と、小動物属性な薄幸少女の凸凹ラブコメディ
11/4より改稿して再アップ
話数:全42話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
神話が好きで、古事記、ギリシャ神話、北欧神話などの神話を少しばかり嗜んでいる物として、物凄く滾り萌えるお作品でした。神様視点の価値観と、人間視点の価値観、異種族同士の恋愛というものはいつも価値観の擦り合わせが難しく拗れる事が多い物ですが、それだからこそ生まれる物がこういう素敵な物語を紡いでくれるのだと思います。この作者さんの書かれる神話はとてもそれらの拗れ愛が上手く取り入れられていて、精霊王さんの実直さで一途な様が愛おしく、主人公ちゃんの不憫さに深く憐れみと幸せになって欲しいと思い、末永くこの二柱の神様が幸せであれば、と願います。
私の語彙が色々とおかしな表現になるかもですがご容赦ください。タイトルに甘いと書きましたが、別に砂糖を吐くイチャイチャではございません。どっちかってっと不憫な娘さんの純真無垢さと健気さに胸を打たれるお話しです。じゃあなんでこんなレビュータイトルなんだという話ですが、まあそれは最後まで読んで頂ければ私の心境も察せられる可能性もなきにしもあらずです。この作品では明らかに不幸で辛い主人公の境遇が、主人公の感覚が反映されている重さを感じさせない感じで表現されており、感情移入が激しい方でもほどほどに心が乱される程度で読みやすいと思います。また、この作品に出てくる神々は多くの神話にあるようなズレを持っており、行動やその影響も通ずるものがあります。なので神さまが好きー♡みたいな人はより一層楽しめるかと……ぜひぜひご一読くださいませ。
神殿に拾われた赤子は加護を持っておらず、忌み子として疎まれ、蔑まされながらも一所懸命に生きる。拾ってくれた養母の大神女が他界するも、彼女の墓から離れたくない一心で、一番底辺である掃除婦として残る。神達の像を綺麗にする事が、彼女の仕事であり、楽しみだった。夜明けとともに神像を磨き、夜更けまで時間を忘れ仕事に没頭する彼女に精霊王が降臨する。人間の憎悪、神の気まぐれに翻弄されながらも彼女は愛を知り。そして・・・。ラストはハンカチのご用意を。切なくて、悲しくて・・・しかし、感動の涙はラストに流しましょう。