評価:★★★★☆ 4.3
地球46億年の歴史の中で、「知的」と呼べる段階の文明を持つに至った種は人族と魔族だけであると言われている。
祖先を同じくする太平洋に隔てられた二つの種族は長らく離別し、再会の後は悲惨な戦争を繰り広げた。魔族はどのような歴史を辿り、今日に至ったのか。本書では最新の考古学資料と学説を元に、魔族の目線から人族にも分かりやすい平易な文体で魔族史を記した。
第三次世界大戦からの終戦100年を記念し、満を持してミンメー書房が贈る過去と未来への一冊をネット配信。※センザール語原文はこちら:https://www.æ–‡å—化㠑
話数:全20話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
まず、「専門家が一般読者向けに平易に書き下したノンフィクション」という体裁を持った作品である、ということは指摘しておきたい。本作品はいかにもその手の翻訳書にありがちな文体、構成などを採用して、よく真似ている。いわゆる仮想戦記的な局所的な偽史ではなく、太古から現代に至るまでのもっと大きなスケールを持った歴史のパロディであり、「ルルイエ」とか「ミニストッカ大学」とかいった、知っている人が目にすればにやりとするような小ネタもそこここに仕込んでもいて、作中に遊び心が横溢している。「なろう」に掲載されているものに限らず、小説という表現は往々に個々のキャラクターの心情に寄り添いがちで、つまりはもっとミクロな視点に焦点を当てがちであるが、この作品のようにもっとマクロな大状況に注視をしたフィクションはもっと増えてもいいように思う。完成度高し。