評価:★★★★☆ 4.3
真面目系クズの妖精に導かれ、異世界にやってきた高校生の小太郎。その異世界は、昔やり込んだフリーシナリオRPGにそっくりだった。なんとバグ技や設定ミスまで再現されている。この世界なら、俺に不可能はない!
これは安定と安心を愛する主人公が、バグ技とフラグ管理・粉砕を駆使して、いかに安全に生きられるかを目標とした、安穏なはずの物語。
話数:全173話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
この作品はやり込んだゲーム世界に転移し、ゲーム知識で巧く成り上がって行く……ものかというと微妙なところである。なにせゲーム知識というのが主にバグの知識。ゲーム制作会社の不手際によってここまで異世界は混沌となるのかと思うような不可思議な現象の数々に、笑わずにはいられない。しかしただのコメディで終わらないのがこの作品の良いところであり、一番面白いところである。バグはなぜ起きているのか? 理由付けがなされる事で、コメディ要素がありながらも、しかし王道な異世界モノのファンタジーなストーリーを楽しむことができる。混沌の中で繰り広げられる愉快なファンタジー。是非とも未読の方は見てみてほしい。
面白いです。清々しいまでに正統派をする気がない主人公。彼自身はどちらかというと良いヤツのはずなのに、冒険の仕方はどうしようもなく邪道です。「心の闇」の妖精さんもクズ過ぎて素敵でしたので、これから読む方は主人公と彼の掛け合いをお楽しむください。難を言うならバグ頼りの主人公がそれを乗り越えれるような場面がいくつかあったのに、それをしなかったことでしょうか?この辺りはキャラクター性を楽しむか、キャラクターを楽しむかで好みが分かれるかもしれません。沢山PRGをしたことがある人ほど楽しめる良作です。
無理ゲー クソゲー 詰みゲーをバグで攻略する気分は一度味わうと中々そこから抜け出せない。気付けば何十周、何百時間という犠牲の元に、ヘビーユーザーの仲間入り。主人公もその類いかな?まずキャラが良い。相関図ならば、外側は常識人で囲まれてるのに、主要人物に近づく程どこか捻れてたり歪んでたり。中心にいるコタローの闇は深い癖のある食材達も、意外な調理法で素晴らしい料理に様変わりするよね?と読んでて思いました。あと、作者様に「変態ですか?(褒め言葉)」と聞いたら「ええ、何か?」と返されそうな気がしました。
クソゲーやバグゲーでもみんなと一緒にわいやわいやで楽しめば祭り気分になる。やり込んだゲームの新しい要素を発見した時、他人が見つかった要素を自ら実証する時、なんともいえない楽しさ。キャラクターにあだ名をつけて、ゲームでは語ってない部分に想像を巡らせる。この小説には、そういうゲーマーなら分かる面白さがあった。ライターのゲームに対しての愛に乾杯。願わくば、ジャイアント・サーガみたいなゲームに出会うことを。
ふぅ、日間で見つけてようやく読み切りました。非情に綺麗にまとまって完結しているので、読了後のスッキリ感がすごいです。完結作品を読みたい、というような人におススメの一品です。バグ技について詳しくなくてもちゃんと解説があるのでゲーム好きなら楽しく読めるかと。読了感としては、『ジャイアント・サーガ』をバグ技あり(解説付き)RTA動画を見た感じです。ここまで綺麗にバグをつなぎ合わせるとは……そして最後のオチも見事でした。うん、だよね。ゲーマーならみんな知ってるよねあのバグ。しかしなにより良かったのは、バグ技の現象について「プレイヤーの想像力」で補うような補完がなされている所でしょうか。古き良きゲームには良くある妄想でストーリーを穴埋めというやつです。「あの現象はこう言う事だったんだよ!」「な、なんだってー!」ってなりますね。楽しい。あ、小話や後日談期待してま(ry
壁抜けバグから無限レベルアップ、アイテム欄を特定のアイテムで埋めて参照指定番号書き換え!果ては進行フラグをバグらせてしまったり…かつて某ドラゴンなクエストやロマンシングなサーガをやり込んだ経験のあるプレイヤーならところどころにグッとくるものがあるはず。バグ利用の弊害でキャラの名前の頭文字がズレる(笑)なんて、よく小説にしようと思った(褒め言葉)なぁと…バグが違和感なく小説に溶け込んで(?)楽しかったです。