評価:★★★★★ 4.5
恐るべきことに、全世界での行方不明者の数は年間で一億人にも及ぶと推定されており、その内のニ割――つまり約ニ千万人は、今も行方は知れずその生き死にすら判明していない。
この行方不明者の数に漠然とした不安を感じながらも普通の日々を送っていた18歳の青年・生方宗助(うぶかたそうすけ)は、偶然ある“もの”と遭遇した事で、これらの失踪事件の真相を知ることとなる。
宗助はこの危険な事件から家族や友人を守る為、スワロウと呼ばれるチームの一員となり仲間と共に事件解決へ奔走する。
次々と強敵や難題が立ち塞がり、状況は徐々に厳しさを増していくが……失踪事件の謎は少しずつ解き明かされていく。戦いの果てに彼らが見たのは、あまりに切ない真実だった。
仲間達との友情や恋、努力や葛藤を描いた異能力アクション群像劇。
誤字脱字など全体的にリフォーム中です。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
舞台は現代の日本ですがしかし、現代のテクノロジーではありえない機械の兵隊「マシンヘッド」が突如襲撃してくるところから物語が始まります。この物語の凄い所は、序盤から幾つも謎や伏線が張り巡らされているのですが、中盤から終盤に差し掛かりそれらが全て綻びなく繋がっていく所です。沢山の個性あるキャラクター達と、彼らそれぞれがもつ固有の特殊能力「ドライブ」による二転三転する戦闘も魅力です。彼らが正体不明のマシンヘッド達やそれを操る敵と闘っていく中で生まれていく友情や愛情、悩みや葛藤など様々な感情が描かれており共感できて、没入感がすごいです。とても長い物語ですが、その分、最終話までたどり着いたときの感動があり、すごくおすすめです。読み応えのある長編をお探しの方は是非この小説をご覧ください。
この作品、評価されるべきところはたくさんあります。でも、それより何よりかっこいいんです。エグめの描写やブラックな話、怒涛のアクションにスリルに満ちた展開。もう、これらが本当にかっこいいんです。様々な要素一つ一つが絡み合って、読んでいて思わず身を乗り出してしまうほど作品に没入してしまうんです。仲間との温かなやり取りや、敵の無機質さ漂う恐怖。一人一人の心理や力。それらが入り混じり、この作品に圧倒的な厚みをもたらしています。このレビューを目にした方々、是非ともこの作品を読んでみてください。時間を忘れて没頭できること請け合いです。
普通の少年が、未知の敵と遭遇したことで普通じゃなくなってしまいます。それまでおぼろげな能力でしかなかった特殊能力がハッキリと発現したことで、ガラリと変わる少年の日常。特殊部隊スワロウとともに、少年は戦いの中で成長すると同時に、力に目覚めてゆきます。たたみかけるようなバトルアクション、それに個性豊かな登場人物には魅力が満載です。
体から風を発生させる能力をもつ主人公。人に言うことも出来ず、学校と入院している病院を往復する毎日。そんなある日、彼の日常は終わりを迎える。世界中で発生する行方不明事件。「中学校時代に流行ったロボットかもな」親友の言葉を聞き流し、いつも通り妹の看病に出掛けた主人公を待っていたのは「鋼鉄の兵士」だった。音を立てて崩れていく日常を、主人公は自身の能力で立ち向かう。
平穏な日常。だが、その裏で物語は少しずつ動き出してゆく。そして、襲い来るロボット。主人公が病床に伏せる妹を守って戦うシーンは、主人公の想いと無機質なロボットの恐怖が伝わってくる名シーンです。細かな描写や人物の心内も上手に描けており、読んでいて次が気になる作品です。この夏は、ぜひ、良質のサイバーパンクの世界に身を投じてみてください。