評価:★★★★☆ 4.4
これは、建築好きな女子大生の梁子と、「間取り」を主食とする屋敷神のサラ様が、ふしぎな建物を探訪していくオカルト×SFな物話です。
近未来の架空の街、「大井住市」が舞台。
自分の家の屋敷神様である「サラ様」を存続させるために、他人の家の「間取り」集めをライフワークとしていた梁子。
彼女はピザ屋で宅配のアルバイトをしながら、ふしぎな家々やその住人たちと出会っていく。
警官との恋。
街を危機に陥れようとする犯罪者たち。
いろいろな物事に出くわす中で、梁子は人間的に成長していく。以下、各章あらすじです。
【1軒目】魔女の墜落した家編。ピザのデリバリーのアルバイト中、梁子は空を飛ぶ「魔女」を目撃する。魔女はそのままとある家に墜落してしまい……。
【2軒目】白木蓮の咲く家編。梁子はまたピザの宅配中に不思議な雰囲気の家を発見する。その家にはとある妖怪?がいて……。
【3軒目】一寸法師に案内された家編。ピザの宅配から店に戻る途中、梁子は手足の生えたペットボトルをひいてしまう。実はそれは現代的な服を着た小人で……。
【4軒目】犯罪者の棲む家編。都内で謎の連続殺人事件が起きる。犯人は徐々に梁子たちの街へと近づいてきて……。
※アルファポリスでも同時掲載させていただいてます。
※第五回ネット小説大賞(旧なろうコン)一次選考通過。【更新の頻度】週に1~2回
【主な更新時間】夜の9~10時の間
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
A・)読み進めるごとにとても斬新な切れ味を感じました。そんなファンタジーってなかなかないですよね……∀・)それがあったんです。確かにここに。∀・)「間取り」を喰らうサラ様と「間取り」を探し提供する梁子の物語でありますが、造詣が深いと言いましょうか、不思議と読んでいくうちに謎へ謎へと魅せられて惹き込まれていく。そんな素敵な作品です!∀・)この紹介文を読むと何だか難解に思われるかもですが、実はすごく読みやすい作品でもあります。これほどまでに“不思議”を巧く取り扱った作品はあまりないかとも。さぁ、あなたも何も躊躇わず、不思議な物語の世界へと一歩を踏み入れてみましょう!
家の「知識、情報」を食べると言う一風変わった守り神「サラ様」とその世話役の主人公、上屋敷梁子(かみやしき りょうこ)の物語。 文章の書き方が綺麗で読みやすく、独特な設定と案外いい性格している登場人物に心がひかれます。 ややサスペンス的な所もあり。 「普通のファンタジーにちょっと飽きちゃった」と言う人にオススメ。 やや女性向けな内容ですが、男性でも勿論楽しめます。 現在、第五回小説大賞に、応募中との事。作品を読んで気に入った方は応援しましょう! ────因みに主人公、巨乳である。
まずあなたは、導入部分から生気溢れる人物像にはっ、と目を見張ることでしょう。それもそのはず、なろう作品の中でも数少ない『登場人物が作者の傀儡となっていない』作品です。作者の指示通り動く駒ではありません。自然体のまま喜怒哀楽を表現する、上屋敷梁子たちの人間味溢れる行動や言動にリアリティが溢れています。没入せざるを得ません。恋心を募らせているいじらしさに守ってあげたくなる、神様となって憑いてしまいたくなること請け合いです。ストーリーは突飛に感じられるかもしれませんが、良い意味で個性派。よく練られているなあと、読後、感嘆の声をあげることでしょう。並外れた感性、文章力。なろうにこんな作品があったのか、と驚く次第であります。
代々受け継いでいく形で「サラ様」のような守護神を譲り受けている人が、もしかしたら何処かにいるのではないだろうか……?そしてこの物語のように、現代文明の狭間にひっそりと、そして様々な形で怪奇がそこかしこに存在していて、我々はただそれを知覚できていないのではないだろうか……?――と、そんな気分にさせてくれる物語です。著者である津月さまが綴る文章は総じて完成度が高く、そしてとても読みやすく、物語の展開もテンポが子気味よくて良い味を出しています。そして作中描かれている独特の世界観。ごくごく当たり前な現代社会の喧噪の中に、独特の風情と情緒とを織り交せた怪異の気配。その組み合わせが実に面白く、そして大変に読み応えのある作品として仕上がっていると思います。
女子大生の上屋敷梁子は、ピザ屋でバイトをしながら「間取り」を探すことを日課にしている。彼女には「サラ様」という神様がついていて、それが間取りを食べたがるからだ。あるとき梁子は、ピザ屋でのバイト中、空から屋根に激突した不思議な女の子を目撃する。その子が落ちた「家」こそ、サラ様が好む「おいしそうな間取りの家」であった。この家の調査をするうちに出会った警官や、この家の不思議な住人、梁子の家系の秘密など、テンポよく展開されていくストーリーに引き込まれました。しかしサラ様はなぜ「間取り」を食べたがるのか? 食べてどうするのか? 謎が尽きませんでした。文体がとてもわかりやすくストレスフリーで読めたところが高評価。